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メタルビーズ教室

・横浜教室
平日行っております。
ご希望の方は
hayatayuko@gmail.com
へご連絡頂ければと思います。
詳細をご連絡致します。

メタルビーズ教室は分教室は一切ございません。





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教保文庫・2
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「インタビュー?何聞くんだ?いつまでかかる?」
そんなんで世の中楽しいですか?と聞きたくなるほどマネージャーは終始ふてぶてしかった。

「あんたね。聞いていいことと悪いことがあるんだから。質問内容はまず私に話して。」
「はい。まず、美容についてお聞きしたいのですが。」
「美容?この子はね、女優だから。美容について話す必要はない。」
「じゃあ女優という職業について聞けばいいということですか?」
「それも話す必要はない。」
「話す必要がない。」


私はマネージャーの言葉をそのままおうむ返しにした。



「何を聞けばよろしいですか?」
「そのくらいの質問数、用意してきてるんだろう。あんたプロなんだろ?」


この手の人間はどういうわけかある一定の割合で存在する。香港にもいたし、日本にもいた。日本の時は大変だった。女優のインタビューはとらせず、延々とマネージャーが自分の自慢話を始めたのだ。やれこの間は大御所カメラマンと飲みに行っただの、テレビ局のおえらいさんから自分の能力をほめられただの。女優の顔はどんどんこわばっていき、私に小声で「すみません」と言った。女優はほどなくしてこの困った事務所をやめ、大手にうつり、今ではすっかり有名女優になった。ところで今日はどうしよう。この女優は韓国では有名だけれど、日本では無名。いくら美しいからといって無名女優の文章のないインタビューページなんて。写真だけじゃもたない。あ、そうだ、写真。まずは出来るところからやっていかないと。

「じゃあ、まずお写真を撮らせて頂いてよろしいでしょうか。」
「写真?そんな約束はない。」
「いえ、ありました。お写真の約束はしておりました。」
「そのつもりはない。」
「じゃあ、写真は掲載しないと。」
「MBCでポジを借りればいいだろう。今ドラマの最中なんだからたくさん写真の用意はある。」
「それでは駄目なんです。」
「駄目の理由はなんだ。」
「それは・・。」
「ほら、答えられないだろう。理由なんてないんだよ。」

高笑いするマネージャー。やれやれ。とんだおっさんだよ。さあ、どうする。こっちだってページを飛ばすわけにはいかないんだ。

「MBCにあるポジフィルムはドラマ現場のものですよね。写真の目線がこちらにあるものばかりではない。他の出演者も写真の中に入っている可能性が高い。現場の光がきれいに女優にあたっているものばかりではない。でも今日はカメラマンがいる。女優を美しく撮るように準備している。写真を使うならより美しく撮れている写真のほうがよくありませんか?」
「あんたがポジ室で目線があって、女優が一人で写っている写真を探せばいいんだよ」
「もしなかったら。」
「ないってことはない。」
「言い切れませんよね?それにだいたいじゃあ、どうして取材を受けたんです?取材許可を出したのはあなたですよね?」



「ねえ。」
ずっと黙っていた女優が口を開いた。
「本を買ってきてほしいの。」
女優が言った。
「本?」
「そう。今読みたいから。私、何もすることがないし。教保文庫に行ってきて。」
静かに、でもきっぱりと女優はマネージャーに宣言した。
「私は本が読みたいの。」
「それは今じゃなくても。」
「今よ。」

女優がまっすぐマネージャーを見る。
美しい。
美しい。
美しい。
美しすぎて凄みさえ感じる。威圧しているわけでもないのに従わなくては、と思わせる女王のような堂々とした風情。マネージャーはしぶしぶ席を立った。

「教保は市庁のほうの教保よ。本の領収書、もらってきて。それとタクシーで行ってね。タクシーも領収書、もらってきて。」
「本なら狎鴎亭にも大きな本屋があります。そこならすぐ戻ってこれるし、それにタクシーで明洞側なんて、汝矣島からですよ?漢江を渡るなんて。この時間に行ったら・・・」
「じゃ、よろしくね。」




「ごめんなさいね。びっくりしたでしょう。じゃあ始めましょう。」
「あ。」
「さあ、何から話しましょうか?私に話が聞きたくて日本からいらしたんでしょう?何でも話しますよ。恋愛のことだってなんだって。」





市庁そばの教保文庫の前をタクシーで何年かぶりに通りかかった。そうだったね。そんなことがあった。なんてハンサムな女優さんなんだろう、と現場にいたスタッフは男女問わずみな、この人に惚れたんだっけ。マネージャーはそれから3時間はゆうに戻ってこなかった。市庁は汝矣島から地下鉄で行けばそれほど時間のかかる所ではない。でも車だとそうはいかない。漢江を越えて反対側に行く道はどの道も夕方はひどい混みようで、道には車で出来た絨毯が広がってしまうのだ。「渋滞がひどいのね、きっと。」カラカラと笑い「マネージャーには私が連絡しておきます。もうインタビュー終わりですね?聞き残しはないですか?大丈夫ですか?」
と言いながら女優は一人でスタスタと帰っていったのだった。

今、再放送で「大長今」をやっている。美しく、賢く、冷静で時に大胆。まさにあなたそのものですね、李英愛(イ・ヨンエ)さん。あの時の現場関係者、今でもあなたのこと、みんな大好きです。そしてご結婚おめでとうございます。どうぞ末永くお幸せに。心から祈っています。
by mareemonte | 2009-08-26 05:19 |
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