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おのれナポレオン 天海版、宮沢版観劇感想
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舞台中央には椅子、そこにスポットライト。
客電が落とされ、アントン・マルキ(今井朋彦)の独白から舞台は始まる。

ナポレオンが死んで20年。その本当の死因を探している医学生ビクトール(医学生と話している設定であるが、医学生役はいない)がアントンマルキを訪ねていく。
アントンマルキはセントヘレナ島でナポレオンの主治医をしていた。
セントヘレナ島へ幽閉されたナポレオンはヒ素で毒殺されたという噂があるが、胃癌が死因の直接的なものだったと。亡くなる何か月前からどんどん体重が落ちていって、それはスキルス性胃癌の症状そのものだったと。そう、確かにナポレオンは便秘だった。これはヒ素に体が毒されたものの特徴であるが、胃癌で死んだのだ。
今ではしがない町医者だが、何か力になれることがあればいつでも力になりますよ、と医学生にお茶を勧める。

医学生は次にシャルル・モントロンの元へ話を聞きに行く。
やさぐれ、よれよれの服を着ているモントロン(山本耕史)彼はセントヘレナ島へ幽閉されたナポレオンに最後まで忠誠を誓い、ナポレオンからの莫大な遺産を手にした伯爵だった。しかし、賭博好きで、その遺産はもう今はなく、この頃は知り合いの女に世話になっている。ジゴロである。
モントロンはナポレオンの最後を看取った唯一の人間だ。ナポレオンを毒殺?まさか。確かにセントヘレナで生活していた頃、自分の妻のアルヴィーヌがナポレオンと恋仲になり、ナポレオンの子供を身ごもったのは確かだが、そんなこと恨んじゃいない。むしろアルヴィーヌを差し出したのはこの俺なんだからな。まあ、ワインでもどうですか。

そのモントロンの妻だったアルヴィーヌ(天海祐希)は今はパリで居酒屋を切り盛りする女将である。居酒屋はそこそこ流行っているらしい。居酒屋の女主人はまずワインを勧める。ジュブレ・シャンベルタン。ナポレオンが愛したワイン。
はすっぱで美しいアルヴィーヌはナポレオンとの思い出を語る。そう、私はナポレオンを愛していた。ナポレオンの子供を産んだ。名前はジョセフィーヌ。ジョセフィーヌは短い命だった。
「あなた、あの名前をするにもいまわしいイギリス人の所へは行ったの?あの、ナポレオンを愚弄したあの男の所へ」

「ようこそおいでくださいました。最近では訪ねて来る人もいなくてね。」
イギリス人でナポレオンを監督していたハドソン・ロウ(内野聖陽)はパリで暮らしている。
「ウェリントン将軍、ちょっと外に出ていてくれ、お客様と話があるからね」
(たぶんネコ)を「いいこだ~」と言いながら外に放し、
「今日は時間がありますか?ゆっくりしてしていってください。さあ、お茶を」
と勧めながら話しを始める。
「セントヘレナ。あの忌まわしき島。」

ハドソンのガウンが肩から落ち、20年前に話はさかのぼる。

ナポレオンはワーテルローの戦いで敗戦し、イギリス軍艦に投降した。
ナポレオンを監視するのはセントヘレナ総督ハドソン・ロウ。

ナポレオンとハドソン・ロウの初めての対面の日。
待てど暮らせどナポレオンは来ない。イライラするハドソン・ロウ。
とそこへ突然ナポレオンが来るという。
「皇帝陛下のおなーりー!」
志村けんみたいなモモヒキ姿(いや、モモヒキではないけどさ。モモヒキにしか見えん)の
ナポレオン(野田秀樹)が
「急げー!潮が満ちるー!」
と言いながら走り去っていく。
その後を侍従のマルシャン(浅利陽介)がバケツをもっておいかける。

「この辺りの海岸ではアサリが沢山とれますのよ」
「あの方はああいうお方です」
憤慨するハドソン・ロウにアルヴィーヌやアントンマルキが話かける。
「今日はもうお帰りください」
アルヴィーヌに冷たく言い放たれたハドソン・ロウは怒りに震える。

ハドソン・ロウは徹底的にナポレオンの生活を締め付けることにした。まずはロングウッドの屋敷には柵がつけられた

「柵どうにかしろ!じゃなかったら部屋からは、でな~い!」
甲高い声でものすごい勢いでハドソン・ロウに抗議するナポレオン。
ハドソン・ロウは対抗する。
「あんたひとりにイギリスがいくら使ってると思ってるんだ、イギリス政府は、この島に何千の兵士を送り込んであなたを監視している。海上でも10隻の監視船が島を巡回している。年間四十万ポンド(ここうろ覚え。たしか四十万ポンドだったですよね?)もあなた一人の警護に使っているんだ。お荷物なんだよ!」
「今のとこ、もう一度言って。何十万ポンド使ってるって?」
自分が沢山のお金を使って守ってもらっていることに快感を感じるナポレオン。
その姿を見てまたイラつくハドソン・ロウ。
柵は取り外さない。
ナポレオンはマルシャンに「これじゃ自由を奪われた鳥にすぎない」
とこぼす。

ハドソン・ロウはさらにナポレオンの生活を締め上げる。手紙はすべて開封し、中を検閲。モントロン伯爵にも今のナポレオンの生活に対して苦言を呈する。パリにいた頃のように盛大なパーティーをするのかいかがなものか。そんなに金を使うなら自分達で稼いだらどうだ。
こんな小さな島でどうやって金を稼ぐのか、とハドソン・ロウに突っかかるモントロン。
家財を売ればいいじゃないか、村人に、と言うハドソン・ロウ。
そしてかつてヴェルサイユ宮殿で使われていた食器などをロングウッドの屋敷で二束三文で売り始める。ハドソン・ロウはでもまだプライドがあるんだな、銀食器に刻まれたボナパルトの刻印だけは必死に削っている、と高笑いする。

奈落の階段をかけあがるナポレオンとアルヴィーヌ。

ナポレオンの日常を紹介する。まず起床。夜が明けると乗馬で散歩をし、それから朝食。熱い風呂。それから肉体訓練。口述筆記をしたり、肉体訓練。お昼を食べてまた熱い風呂。そして肉体訓練。ここまででなんとまだ午後2時。夕食は8時。食べるのが早いのは、あまり噛んでいなかったようで、その後はピアノを聞いたり、モリエールを読んだり、口述筆記など。とても規則正しい生活を送っていた。(うー、ここもうろ覚えです・・とにかく風呂は2回で肉体訓練が3回なのは覚えていた)

ハドソン・ロウは相変わらずナポレオンを皇帝とは呼ばなかった。必ずボナパルト将軍と呼ぶ。当時のフランスでは苗字でなく、名前で呼ばれるのは皇帝のみ。だからこそハドソン・ロウはナポレオンをボナパルト将軍と呼び続けた。フランス帝政の皇帝ナポレオン1世であるナポレオンであるにもかかわらず。ナポレオン皇帝陛下と呼ばせたいナポレオンとボナパルト将軍と呼び続けたいハドソン・ロウ。それならチェスで勝負をつければいいいではありませんか、とアントンマルキが提示する。

かくしてチェスの戦いが始まる。盤上とはいえ、軍人同志の戦いだ。熟考するハドソン・ロウに対して駒の進め方の早いナポレオン。ハドソン・ロウはわざとナポレオンをかく乱させる為にワーテルローの戦いでなぜ負けたかを聞こうとする。なぜプロイセン軍に到着の時間を与えてしまったのかと。ナポレオンは答える。チェスと違って本物の戦いには天候がある。包囲に必要な援軍を率いてくるはずだったグルーシーの伝令の遅延がワーテルローの戦いでの敗因だった。君は私を怒らせようとしているみたいだが、この話はもう終わりだ。私はこのような時にでも盤上に目を配っている。君がヴィショップを動かして、クイーンをとったとしても(ここ、もっと野田さんのチェスへの台詞があるんだけれど、覚えきれなかった)君のキングはチェックメイトになるんだ。
圧倒的に強いナポレオンに対し「今、ビショップを触ってまた戻した、それはタッチアンドムーブで反則だ。」
と絶対に負けを認めないハドソン・ロウ。
そしてナポレオンはハドソン・ロウに言う。
「この戦いがチェスでよかったよ。本当の戦いなら君はもういない。戦場に反則負けなどないんだよ、ミスター・ロウ。」

ロングウッドで給仕長をしていたチプリアーニが突然急死した。ヒ素が入ったワインを飲んだのだ。誰がかナポレオンを暗殺しようとしている。いったい誰だ。セントヘレナまで一緒についてきた腹心であるはずのラスカーズ、グルーゴー、ベルトランが次々とナポレオンの前から姿を消していく。お抱え医者のアントンマルキまでもだ。アントンマルキはマルシャンに男色を迫ったという理由で屋敷への立ち入りを一時禁止されてしまった。ワインにヒ素をいれられるのは誰か。ナポレオンの耳にかつての腹心の部下の悪い噂を入れられるのは唯一の人物だ。そう、シャルル・、モントロン。

「ヒ素を入れたのは俺じゃない」
「じゃあ、誰が?」

ナポレオンを殺そうとしていたのは、アルヴィーヌだった。ナポレオンの子供を身ごもり、幸せなアルヴィーヌ。フラメンコまで踊っちゃう。しかし彼女はナポレオンにフランスから手紙が届き、セントヘレナ脱出計画が実現しそうだという話を聞く。パリへ帰ったら妃にしてやる、とナポレオンは言った。でもわかっていた。パリに行けば自分は大勢の女の一人になってしまうことを。それなら殺してしまう方がましだ。

でもその計画は給仕長チプリアーニとその愛人が死ぬ事で未遂に終わった。アルヴィーヌはセントヘレナから追放され、パリに戻される。

ナポレオンが病に臥せている。容体は良くない。胃が苦しいという。
「吐酒石をレモネードに溶かして飲んでみましょう」
とアントンマルキ。吐酒石は胃の中のものが吐き出され、一時的にでも楽になるからと。

レモネードに溶かした吐酒石をモントロンが与える役となる。
こんな日がこようとは。ようやくナポレオンに復讐出来るのだ。

吐酒石入りのレモネードを所望するナポレオンにモントロンが言う。
「俺の事を覚えていないのか」
全く覚えていないナポレオン。
シャルル・モントロンの過去の話が始まる。

初めての出会いは9歳の時。1792年の夏だった。コルシカ島に赴任していたナポレオンはシャルルの家庭教師をした。因数分解を教え、これは戦争にも役立つ、X、Yに軍隊をあてはめるとどのような問題点があるかが浮上してくる、という話を機関銃のような早口で9歳児のシャルルに言って聞かせた。全く分からなかった。天才の考える事は理解出来なかった。でも父親以外に初めて出会った大人の男で、シャルルはナポレオンに大いなる憧れを抱いた。

次の出会いは17歳の時。シャルルはモントロン中尉となり、ナポレオンと謁見した。その頃のナポレオンは戦争に連戦連勝、フランス軍はイタリア北部へ領土を広げ、有名な軍人となっていた。
「私を覚えていますか」
と聞いたところでナポレオンが覚えているはずもない。
「取り入ろうとしても駄目だ。戦で勝てばいくらでも取り立ててやる」

しかし取りたてられることはなかった。美人だが評判のよくない女、アルヴィーヌとナポレオンの許可なく結婚したからである。上司に許可なく結婚を決めたことに怒った、とナポレオンは言っているが、本当のところ、アルヴィーヌを気に入っていたナポレオンがモントロンに対して怒りを感じただけだったのだ。モントロン夫婦は追放された。

でも失脚したナポレオンの前に現れたのはモントロン夫婦だった。
どんどん臣下が消えていく中、セントヘレナまでついてくるというモントロン夫婦。それがナポレオンの財産を夫婦で狙っていたからだとしても。

ナポレオンの心にはモントロンは記憶されておらず、そのことについて怒るモントロン。「めんどくせー男だなー!」とナポレオンが叫ぶも「忘れ去られた人間の気持ちを考えろ!」と苦しむナポレオンに怒りをぶつけるモントロン。ナポレオンは謝罪し、すべての財産をモントロンに、と遺言状を残し、それと引き換えに吐酒石入りのレモネードを飲むのだった。

朝だ。
アントンマルキとハドソン・ロウがナポレオンを見にくる。死んでいるかのように眠っている。
ハドソン・ロウは昔セントヘレナという島でナポレオンとチェスの試合をしたのだ、と将来自慢する、と言っている。ヴィショップを動かして、鮮やかな捨て駒、そしてチェックメイトまでの経緯を楽しそうに語る。「そうなんだ~」とむっくり起き上がるナポレオン。
「負けを認めたならナポレオン皇帝陛下と呼んでもらおうか」
突然の事態に思わずナポレオンの首をしめようとするハドソン・ロウ。
「何やってるんだ!」と飛びかかるモントロン。
「い、いや、首のサイズを測っていたんだ。ネクタイを送ろうと思って。赤…ピンク?」
と言いながら慌ててハドソン・ロウは部屋から出ていく。

その夜あっけなくナポレオンは死んでしまった。
最期の言葉「部隊~、さがれ~」
と言いながら。

ナポレオンの亡骸を毛布にかぶせ、ハドソン・ロウ、アントンマルキ、モントロンがナポレオンの死について語る。死亡解剖が必要だが、それはしないほうがいい。アントンマルキが間違った処方をし、それをモントロンが飲ませてしまった。ハドソン・ロウは監督の立場として一連の行為をもみ消すことにした。解剖はする。ただしもう所見は出来ている。


医学生、ビクトールは最後にマルシャンを訪ねる。マルシャンはナポレオンの推薦状でパリに戻ってからは会計監査院で働いていて、なかなかいい暮らしぶりのようだ。礼儀正しくビクトールに「カフェオレをどうぞ」と勧める。

マルシャンは言った。
いつかあなたのような人が私の元を訪ねることは分かっていました。
ですから本当の話をしましょう、とナポレオンの死因の真相を語り出す。

ナポレオンはハドソン・ロウに行動を制限され、自由を奪われた。自由を奪われた鳥にしか過ぎぬのなら、世は死ぬことにした。一瞬の死の方が世に宣告された緩慢な死よりはるかにましだ。しかし世は自殺はしない。世にふさわしい死を与えてくれ。

そして自分を暗殺する計画が始まったのだった。

全てを聞いたビクトールはアントンマルキの所でお茶を、モントロンの所でワインを、アルヴィーヌの店でワインを、ハドソン・ロウの家でお茶を飲んだ。そしてマルシャンの家ではカフェオレを。そう、セントヘレナでアルヴィーヌが使ったヒ素は五等分され、それぞれが持っていたのだった。こうしてナポレオンの名誉は守られた。

ビクトールは始末され、久しぶりに集まった5人は「まさか20年後にまた集まるとは」と言うが、マルシャンはそれを否定する。
「こうやって皆さんが集まることも計画に入っていました。どうせろくな生活をしていないだろうから、はい、これは今日のお駄賃です。」
とナポレオンが用意していたお駄賃をそれぞれに渡す。

そうだったのだ、ナポレオンの名誉を守るために全ての人は駒だった。クイーン、ルーク、ナイト、ビショップ、ポーン。すべてナポレオンが動かす駒だったのだ。

お駄賃をもらってアントンマルキ、アルヴィーヌ、モントロンが帰っていく。
ハドソン・ロウだけはお駄賃を受け取ろうとしない。そこでマルシャンがナポレオンがハドソン・ロウへの言葉を告げる。
「あなたなら名誉を守ってくれると思った。人生の最後にあなたのような人間に出会えた事を神に感謝している。」
ハドソン・ロウは
「有難うございます、ナポレオン皇帝陛下」とお礼を言って去るのだった。

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ナポレオンは野田秀樹さん。甲高い声でテンション高くて、エキセントリックで、せっかち。わがままでプライドが高くて、女性に対して博愛主義で、頭がとんでもなくよくて、非常に策士。素早い動きと高い身体能力が人間ぽくなくて妖精みたいでした。ナポレオン自身、背が小さくてカリスマ性があって、という人だったそうで、野田さん、もともと似てる?

ハドソン・ロウは内野聖陽さん。破天荒でしっちゃかめっちゃかの天才ナポレオンに対して四角四面で融通の利かないハドソン・ロウ。嫌な奴なようでいて、人間味があって、私はとーっても好きでした。きっとお上手なんだろうな、と思っていたけれど、本当に上手だったです。期待通り。

シャルル・モントロンは山本耕史さん。この方の舞台を見るの初めてですが、お上手なのもそうですが、美しいのですねー。華がある。モントロン伯爵時代は金のモールのついた青い軍服を着ているのですが、オスカルみだいだった。

アントンマルキは今井朋彦さん。すごい早口の台詞も小さな声の台詞も隅々にまで響く素晴らしい声。飄々とした演技も安定のさすがさ。宮沢版では台詞が多くなっていました。でも余裕に見えた。(きっと大変だったとは思うけど)職人芸を見た感。

マルシャンは浅利陽介さん。この方、若いのにうまかったなー、滑舌もよくて。小道具を運んだり、黒子としても活躍。前半はほぼ台詞なく、最後の最後で狂言まわし的な役回り。

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そしてアルヴィーヌ。
天海さん版と宮沢さん版と合計2回観劇しました。

このお芝居の主役は野田さんのナポレオン。ナポレオンは癇癪持ちで小さい男、と伝わっていますが、三谷さんはきっとそのイメージでナポレオンを作りたかったんだと思う。小さくて、せっかちで、エキセントリックで、常人では考えられないような事を考える天才。そのナポレオンのキャラクターを際立たせる為にも他の登場人物は背が高くなくてはならなかった。実際、内野さん、山本さん、今井さん男性陣は同じくらいの長身。(浅利さんは野田さんと揃えたっぽい)女性も然り。天海さんは背が172センチで、野田さんと並ぶと、大きい。この背の高さも天海さんである理由の一つだったと思うんです。で、天海さんを役に据えて、あて書きをしたと思うのね(全くの妄想だけどさ)そうすると、アルヴィーヌははすっぱで勢いがあって、キレがあって、でも好きな人の前では愛らしく、可愛く、キラキラ夢見る乙女、という天海アルヴィーヌが完成形だったと思うんだよなあ。

秀でた女優さんは2日できっと台本を覚えられる。大竹しのぶさんも、深津絵里さんも、戸田恵子さんも松たか子さんも。三谷さんの舞台にゆかりのある女優さんで2日で台本を覚えられる方は沢山いらっしゃると思う。でもなにしろ背だ。背がある程度ないと物語のプロットが崩れてしまう。宮沢さんも167センチあるそうだけれど、天海さんに比べれば小さくて、だから、モントロン夫婦が追放されるシーンで天海アルヴィーヌがナポレオンにすがるところで「でけーな!」と突っ込みが入り、アルヴィーヌが「あっちが小さいのよね」とモントロンに話しかける、というシーンなどはなくなってしまった。(宮沢アルヴィーヌがすがるシーンでは「これ見よがしに胸を強調するな」とナポレオンが言って、モントロンが「確かにすごい」と言う。)

当然といえば当然だけれど、アルヴィーヌの演出もだいぶ違っていた。ナポレオンの一日を紹介するシーンは天海アルヴィーヌだとコミカルに、かつ元気に紹介。ナポレオンが肉体訓練をするシーンは腹筋なんだけど、1日の3回目の腹筋シーンで、ナポレオンがためらっていると「にーくたーいくーんれーん!」とほぼ脅しのような紹介でナポレオンに腹筋させる。このシーンは宮沢アルヴィーヌだと本を読みながらの紹介で、割とさらっと終わってしまうのだった。天海版だとかなり笑いが起きるシーンなんだけど。天海版ではこのシーンがお気に入りだったから、宮沢版では「ああ、そうかあ・・・」と思った。

ナポレオンとアルヴィーヌがフラメンコを踊るシーンで、短いけどアルヴィーヌがソロを踊るシーンがあって、そらもうかっこよすぎて、さすが元ヅカトップ過ぎて、華がありすぎて「ゆうきさまーっ!」と天海アルヴィーヌでは叫びそうになってしまったが、宮沢アルヴィーヌはフラメンコシーンは手の動きだけ。
「ボンボヤージュ!」のシーンも天海アルヴィーヌは笑いが巻き起こっていたけれど、宮沢アルヴィーヌでは通り過ぎてしまったのであった。

でも宮沢版ではナポレオンにモリエールの劇中劇をアルヴィーヌとモントロンが演じるというシーンで、
アルヴィーヌ「練習しましょう!セリフは入ってるの?」 
モントロン「お前に言われたかねーよ!」 
 
「一日や二日でできるようになるのか?!」 
「いっぱいいっぱいですっ!」

この自虐的台詞シーンは大いに笑ってしまった。黒い笑いは必要だね。ふ。

天海さんは一流女優で、その人が綿密に練習を重ねてきて、35公演もやった舞台を2日の練習で公演数も4回であった宮沢さんがいかに天才であろうと、北島マヤよりすごかったとしても、天海さんを凌駕することにはならないと思うんだよね。もちろん宮沢さんの演技もいいのです。いいのですよ、130回くらいある台詞を飛ぶことなく美しい声で仕上がっているのだから。でもそんな事、誰が言わなくても宮沢さんが一番よく分かっていると思うのだ。それが分かりすぎているほど分かった上で、興行を潰していろいろな方面に損害が出ないように、何か月も前から楽しみにしていた演劇ファンの為に難しい局面を引き受けてくださったのだと思う。宮沢さん、本当に有難うございました。劇が再開されて本当に嬉しかったです。

今回は降板代役劇が大きな話題になってしまったけれど、劇の純粋な感想はなにしろ野田さん。役者としての野田さんが素晴らしいのでありました。内野ハドソンも山本モントロンも今井アントンも浅利マルシャンもえらい上手なんだけど、野田さんの存在感、はんぱねー。役者はうまい人が揃うと劇って本当に面白いね。

三谷さんの舞台、正直自分の中では当たりはずれがあるんですが、この舞台は大変面白かったです大当たりでした。私の中ではおのれナポレオンとペッジ・バートンが双璧でございます。おのれナポレオンという題名、 L'honneur de Napoléonにかかっているんですね。ナポレオンの誇り。確かに最後の最後まで誇り高きナポレオンであった。三谷さん、面白い劇を有難うございました。

東京芸術劇場HPより

野田秀樹 コメント
3ステージ中止となった為に、ご観劇予定であったお客様には、心よりお詫び申し上げます。
天海祐希さんには、まだまだこれから長い役者人生がありますので、何卒みなさまご理解下さいませ。
そして、宮沢りえさんの、わずか二日間での稽古で舞台に立つことを英断してくれた男らしさに感謝します。宮沢さんのおかげで上演できることになった残り4ステージに魂を込めて演じさせていただきます。

三谷幸喜 コメント
僕に出来ることは何だろうか、と考えました。
天海さんと、必ずまた舞台をやること。
宮沢さんに、今回のお礼に芝居を書くこと。
ご迷惑を掛けたお客さまに喜んで頂ける作品にすること。
心筋梗塞にならないこと。それくらいしか思いつきません。


これを読んで、もしこの二人がサラリーマンだったら、と考えた。
野田さんは才能豊かな天才だけれど、営業とかもできて、本社のお偉いさんとなりそうな感じ。(いや、絶対なるでしょう)三谷さんは次々にヒット商品を作るけど、本人希望で本社勤務にはならなくて、研究所に勤務する伝説の社員、という感じがします、はい。


山本耕史、休養で会見急きょ欠席 りえ代役舞台で“3日3晩寝ず”の状態
オリコン 5月13日(月)15時43分配信

俳優・山本耕史が13日、出席を予定していたNHKドラマ『激流~私を憶えていますか?~』(6月25日 午後10:00)の記者取材会を欠席した。山本は、女優・天海祐希が軽度の心筋梗塞のため降板し、宮沢りえが代役を務めた舞台『おのれナポレオン』にきのう12日まで出演。同局によると、宮沢との共演シーンが多く、3日3晩寝ていない状態だったため、今後の撮影を考慮し大事をとって休養したという。


5月13日 追記
山本さん・・・・(涙)
宮沢アルヴィーヌの時、吐酒石入りレモネードをナポレオンに渡す時、くるくるまわったり、空中に投げた液体をキャッチしたり、と山本モントロン大活躍だったシーンがありました。あそこ、天海アルヴィーヌの時はあんなに激しくなかったよな。台詞も増えていたようだし・・・。
今井アントンマルキも「あれ?こんなに喋ってたっけ?」と思ったシーンがあったし、フラメンコを踊るシーンは野田ナポレオンがめちゃめちゃ踊り狂っていた。男優さんも相当変更があったんですね・・。舞台は生ものだから大変なんだな・・・。撮り直しなんてないもんね。
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by mareemonte | 2013-05-12 19:22 | 劇やら映画やら
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