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mareemonte3

メタルビーズ教室

・横浜教室
平日行っております。
ご希望の方は
hayatayuko@gmail.com
へご連絡頂ければと思います。
詳細をご連絡致します。

メタルビーズ教室は分教室は一切ございません。





ご質問等は
mareemonte@excite.
co.jpまで。内容によってお答え出来ないこともありますのでご了承下さい



【ウーマンエキサイト】ゴールドブロガーに選んで頂きました。



・メディア


2008年 STORY


2009年 女性自身


2010年 VERY

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カテゴリ:話( 20 )
教保文庫・2
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「インタビュー?何聞くんだ?いつまでかかる?」
そんなんで世の中楽しいですか?と聞きたくなるほどマネージャーは終始ふてぶてしかった。

「あんたね。聞いていいことと悪いことがあるんだから。質問内容はまず私に話して。」
「はい。まず、美容についてお聞きしたいのですが。」
「美容?この子はね、女優だから。美容について話す必要はない。」
「じゃあ女優という職業について聞けばいいということですか?」
「それも話す必要はない。」
「話す必要がない。」


私はマネージャーの言葉をそのままおうむ返しにした。



「何を聞けばよろしいですか?」
「そのくらいの質問数、用意してきてるんだろう。あんたプロなんだろ?」


この手の人間はどういうわけかある一定の割合で存在する。香港にもいたし、日本にもいた。日本の時は大変だった。女優のインタビューはとらせず、延々とマネージャーが自分の自慢話を始めたのだ。やれこの間は大御所カメラマンと飲みに行っただの、テレビ局のおえらいさんから自分の能力をほめられただの。女優の顔はどんどんこわばっていき、私に小声で「すみません」と言った。女優はほどなくしてこの困った事務所をやめ、大手にうつり、今ではすっかり有名女優になった。ところで今日はどうしよう。この女優は韓国では有名だけれど、日本では無名。いくら美しいからといって無名女優の文章のないインタビューページなんて。写真だけじゃもたない。あ、そうだ、写真。まずは出来るところからやっていかないと。

「じゃあ、まずお写真を撮らせて頂いてよろしいでしょうか。」
「写真?そんな約束はない。」
「いえ、ありました。お写真の約束はしておりました。」
「そのつもりはない。」
「じゃあ、写真は掲載しないと。」
「MBCでポジを借りればいいだろう。今ドラマの最中なんだからたくさん写真の用意はある。」
「それでは駄目なんです。」
「駄目の理由はなんだ。」
「それは・・。」
「ほら、答えられないだろう。理由なんてないんだよ。」

高笑いするマネージャー。やれやれ。とんだおっさんだよ。さあ、どうする。こっちだってページを飛ばすわけにはいかないんだ。

「MBCにあるポジフィルムはドラマ現場のものですよね。写真の目線がこちらにあるものばかりではない。他の出演者も写真の中に入っている可能性が高い。現場の光がきれいに女優にあたっているものばかりではない。でも今日はカメラマンがいる。女優を美しく撮るように準備している。写真を使うならより美しく撮れている写真のほうがよくありませんか?」
「あんたがポジ室で目線があって、女優が一人で写っている写真を探せばいいんだよ」
「もしなかったら。」
「ないってことはない。」
「言い切れませんよね?それにだいたいじゃあ、どうして取材を受けたんです?取材許可を出したのはあなたですよね?」



「ねえ。」
ずっと黙っていた女優が口を開いた。
「本を買ってきてほしいの。」
女優が言った。
「本?」
「そう。今読みたいから。私、何もすることがないし。教保文庫に行ってきて。」
静かに、でもきっぱりと女優はマネージャーに宣言した。
「私は本が読みたいの。」
「それは今じゃなくても。」
「今よ。」

女優がまっすぐマネージャーを見る。
美しい。
美しい。
美しい。
美しすぎて凄みさえ感じる。威圧しているわけでもないのに従わなくては、と思わせる女王のような堂々とした風情。マネージャーはしぶしぶ席を立った。

「教保は市庁のほうの教保よ。本の領収書、もらってきて。それとタクシーで行ってね。タクシーも領収書、もらってきて。」
「本なら狎鴎亭にも大きな本屋があります。そこならすぐ戻ってこれるし、それにタクシーで明洞側なんて、汝矣島からですよ?漢江を渡るなんて。この時間に行ったら・・・」
「じゃ、よろしくね。」




「ごめんなさいね。びっくりしたでしょう。じゃあ始めましょう。」
「あ。」
「さあ、何から話しましょうか?私に話が聞きたくて日本からいらしたんでしょう?何でも話しますよ。恋愛のことだってなんだって。」





市庁そばの教保文庫の前をタクシーで何年かぶりに通りかかった。そうだったね。そんなことがあった。なんてハンサムな女優さんなんだろう、と現場にいたスタッフは男女問わずみな、この人に惚れたんだっけ。マネージャーはそれから3時間はゆうに戻ってこなかった。市庁は汝矣島から地下鉄で行けばそれほど時間のかかる所ではない。でも車だとそうはいかない。漢江を越えて反対側に行く道はどの道も夕方はひどい混みようで、道には車で出来た絨毯が広がってしまうのだ。「渋滞がひどいのね、きっと。」カラカラと笑い「マネージャーには私が連絡しておきます。もうインタビュー終わりですね?聞き残しはないですか?大丈夫ですか?」
と言いながら女優は一人でスタスタと帰っていったのだった。

今、再放送で「大長今」をやっている。美しく、賢く、冷静で時に大胆。まさにあなたそのものですね、李英愛(イ・ヨンエ)さん。あの時の現場関係者、今でもあなたのこと、みんな大好きです。そしてご結婚おめでとうございます。どうぞ末永くお幸せに。心から祈っています。
by mareemonte | 2009-08-26 05:19 |
教保文庫・1
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金浦空港からソウル市内に入るとき、いつも漢江の近くにそびえる国会議事堂を眺めた。


「汝矣島は韓国ではね、遠足に行くイメージなんだよ。国の重要な機関がたくさんあるでしょう。小学生なら一度は行くね。」
「日本の霞が関みたいな所か。国会議事堂は大きいんだね。日本のより大きい。」
「比較的新しいからかもね。この建物が建つ前は京城府民館という建物が国会議事堂としての役割を果たしていたのね。今はソウル市の市議会庁舎になってるんだ。」
「ふうん。インヨンは物知りなんだね。」
「だって韓国の歴史だから。今日はね、汝矣島に行くのよ。MBCは汝矣島にあるから。」
「韓国のテレビ局は汝矣島に全て集結してるのってなんでなの?」
「さあ、それは分からないなあ。」
「タレントが移動しやすいように?」
「そうではないかも。韓国はね、テレビ局に専属のタレントがついていて、たとえばMBC専属のタレントはMBCしか出ないのね。だからテレビ局のはしごみたいなことは日本よりないんだよ。有名になってくるとどのテレビ局でも出られるんだけどね。」
「へえー、昔の日本の映画産業みたい。東映専属女優とか、そんなかんじ。あ、東映って分かる?日本の映画会社。」
「知ってる。」
「テレビ局っていくつあるの?」
「大きいのは三つ。KBS、MBC、SBS。KBSは日本でいえばNHKみたいなかんじかな。公営放送だから。
「MBCは?」
「民放。韓国はね、どこのテレビ局も自局のタレントを持っていてね。タレント公採っていって、新人の登竜門みたいなもんね。」
「昨日のモデルの子はMBCの専属タレントって言ってたね。」
「うん。」
「今日のインタビューの話をしたらすごく羨ましがってた。タレントにも人気の女優さんなんだね。」



1997年のMBCで放映されたドラマ「ドクターズ」に出演していた女優に今日はインタビューである。

「だけど不思議がっていたよ。日本からの取材だなんて。日本で韓国のドラマ、見られるの?」
「見られない」
「なんで知っているの?韓国のドラマ。」
「私は出張の度にこっちでドラマ、見るから。夜はやることないんだもん。テレビ見るしかさ。それに韓国ドラマって言葉が分からなくてもなんとなくだいたいわかるよね」
「話が単純だからね」
「あと二夜連続だからまとめて見られるのがいいんだよ。日本は週に1回のペースなの、ドラマって。」
「韓国は水・木ドラマ、とか週末ドラマ、とか2夜連続が普通だもんね」
「週に2回だと断然はまるよー。だけどさ、週2回もみんなちゃんと家に帰ってこれるの?1回どっちか見逃したりしないわけ?」
「見逃しても次の回から見てもだいたい分かるから。話が見えなくなるってことないもん。」
「なるほど。」


MBCの玄関ホールにはソファとテーブルがたくさんあり、ここで待ち合わせだった。

「こんにちは。」



今までどうやって生きてきたんだろう、この人。
こんなに美しいなんて。


肌が抜けるように白い。向こう側まで透けてしまいそうだ。目は茶色。筋の通った鼻に赤く形の良い唇。長袖のブラウスから手が見える。細い手首と長い指。折れてしまいそうなほど細いけれど、しなやかに動く。この人、ただ歩いているだけで噂になってしまうだろう。私は彼女から目が離せなかった。
by mareemonte | 2009-08-24 21:27 | | Trackback
麗晶飯店 番外編
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恭喜 李嘉欣





大美人李嘉欣。またえらい富豪と結婚しましたな。いかにも彼女らしいです。 

歴代ミス香港の中でも一番の美女、と誉れ高い彼女、確かにものすごい顔でした。

ミス香港を取材した時、水着審査の写真を香港テレビから借りたことがありました。素人時代のミシェール、今と顔が変わらなかったです。初めからこの顔でした。芸能界に入って磨かれた、という顔ではないのです。アニタ・ユンなんてミス香港の審査時なんてただのイモねーちゃんだったけど。(そりゃ可愛いけど)ミシェールは驚異的な顔であります。10年前に取材した頃は演技面ははっきりいってあんまり、でしたが、最近の彼女は貫録も出てすごくいいですね。これからも香港芸能界の美貌として華やかな存在であってほしいものです。
by mareemonte | 2008-11-28 23:57 |
北京オリンピック 4  トップアスリートへの道
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自分でやるメークとプロにやってもらうメークってどうしてこんなに差があるのか。
下地の作り方、ファンデーションの乗せ方、チークの入れ方、アイシャドーの入れ方、眉の作り方。今一番習いたいものはメークです。メーク教室に行きたい。







「あたし、内柴すき。」
「どこが?」
「顔。」
「顔?」
「顔。」
「わかる。あたしも好み。」
「へえー。」
「競泳の松田もすき。」
「顔?」
「いや、顔もそうだけどいい子よ。あの子は。会ったことないけど。」
「あー、松田ー。いい子だよねー。会ったことないけど。」
「コーチの首に早速銀メダルかけちゃうんだよー。いい子だよ。会ったことないけど。」
「結局信頼関係なんだよねえ。」
「それは本当に大事です。指導者次第で伸びるものも伸びなくなっちゃうから。」
「伸びていく才能っすか。」
「才能っちゅーのは何ですかね?」
「これまた広義的な。」
「いやさ、才能と才能の戦いじゃないですか、オリンピックは。」
「才能っていうのはさ、競技そのものの才能もあるし、ずっと努力し続ける才能もある。調子が悪くても腐らないで練習するのも才能だし、怪我をしない自己管理の才能ってのもね、あるからね。一概に才能、というと難しいんだよなあ。」
「才能はもともと持っているもの?それとも育てるもの?」
「うーん。トップアスリートになるには才能のある人間が1万時間練習をすることによって作られる、といわれているんだけど。」
「1万時間。」
「うげ。どのくらい毎日練習すりゃいいんだ?」
「一日4時間の練習をして週に5日。そのスケジュールを約10年続けるとトップアスリートになるといわれているんだよ。」
「早い人なんて16歳くらいでオリンピックに出るじゃない。その計算でいくと6歳くらいから練習しなくちゃいけなくなるよね。」
「マラソンなんてどう考えても6歳の子が週5日4時間練習はしないだろうけど。」
「体操、レスリング、柔道、競泳。小さいうちから取り組んでるケースも相当多いよね。スポーツにおける英才教育というか。」
「だから親がもともと選手だった、とか環境が整っている場合が多いのよ。」
「そうじゃなければやらないよねえ。レスリング、私の住んでいる地域には女子のレスリングの場所なんてないもん。」
「アニマル浜口とか。」
「授業参観に来られたらいやだな。」
「それはちょっと。」
「今日の授業参観は絶対にお母さんだけ来て!って言ってもお父さんが来るんだよ。」
「来るな、それは。」
「んで、気合いだーっ!気合いだーっ!。授業聞こえませんから。」
「やられるね。」
「おーい、お前んとこのお父さん来てるぞ。」
「言われるね。」
「まあ、親がどんなに頑張ったところで本人に気持ちがなければモノにはならないけどね、特にスポーツの場合は。」
「でも親がまったく関係ない人だっているじゃない。スポーツとは無縁の。」
「います。結構います。」
「かゆっ!」
「いるよね。」
「あたしも刺された。」
「蚊って憎い。」
「地球の生態系が壊れたとしても絶滅してほしいよね。」
「ねー。」





「あー。あたし今ちょー真剣に悩んでる。」
「何を?」
「アイス食べるかどうしようか。」
「やーめーとーけー。」
「この時間に食べると身になるよー。」
「トップアスリートへの道は遠く険しいですなあ。」
「ストイックで真面目に取り組む面を持ち合わせていないと、まずなれないね。ま、いつもそうであれ、ということはないけど。息抜きも必要だしさ。」
「まずは素質。努力を続ける忍耐力。あとコーチの話を素直に聞くとか性格も重要だったりするね。」
「北島とか松田とか、コーチを信頼してそうだもんね。純粋に。」
「信頼出来るコーチに出会えるというのは大きいよね。」
「これはねえ。本当に。」
「んだんだ。」
「やっぱりアイス、食べる。」
「やっちまうんですね。」
「やっちまいます。すみませーん。バニラアイスお願いします。」
「あたし、チョコ。」
「えっ。」






「で、トップアスリートになりました。さあ、オリンピックに出られるかといったら違うわけで。1万時間かけてようやくスタートラインにつくわけだからねえ。1万時間練習して、ようやく階段に登れる資格がもらえるわけだから。」
「オリンピック目指したら一日4時間、週5日じゃ足らないですし。練習。」
「時間もかかればお金もかかる。」
「お金は重要な問題ですよ。遠征の交通費からホテル代からね。予算がもらえない競技は選手負担が大きいから。」
「スポンサーがついても?」
「スポンサーがつかない競技もあるから。」
「それにスポンサーがつけばついたで実績をあげなくては、というプレッシャーも発生するわけなんでしょ〜。大変だ〜。」
「だからパトロンがつくのが一番なんだけどね。」
「ルネッサンス期に貴族が芸術のパトロンになったように。」
「現実問題そういうことは殆どないけど。そんな資金力もっている人間、いたとしてもスポーツにそこまで理解があるかといったら、なかなかね。」
「てかさー。空明るいよ?」
「ひょーっ!」
「まずい、帰らないとっ」






というわけで夜が明けてましたのでガールズトーク(ガール?)これにて終了。
またの機会に。
by mareemonte | 2008-09-24 23:45 | | Trackback
北京オリンピック 3  開会式
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9月になったのでリリエンベルグの喫茶でモンブランを食べてきました。
ここのモンブランは体のサイズに合わせています。
でかい人間にはLサイズモンブラン。華奢な方にはSサイズモンブラン。
嘘です。LはリリエンベルグのLです。










「それにしても北島はパーフェクトだったね。圧倒的に強いもん。」
「開会式、出てなかったでしょ。」
「あの開会式はすごかったねー。」
「ヤラセも多かったけど。」
「中国の威信にかけて、っていう気合いがね。」
「本当に。」
「テロが起ころうと、地震が起ころうと。」
「世界中から非難されようと。」
「全世界に中国を見せつけるこんないい機会はないと。」
「阿片戦争以来、中国は反植民地だったことがあるし。この戦争がきっかけでアロー戦争、抗日戦争、日清戦争と対外的に近代中国は辛酸をなめてきたわけで。日中戦争で日本に対して戦勝国になってヨーロッパ諸国、日本から租界を返還されて反植民地は終結に向かったわけだけれど、でも次に国内で国共内戦、文化大革命でしょう。混乱の歴史がようやく幕をひいて国内経済も上昇気流に乗りつつある。そこでオリンピックだよ。ここで現在の中国の繁栄を見せつけないでどこで見せるの?って感じじゃない。あ、あの人ヅラかも。」
「ほんとだ。襟足浮いてる・・・。」
「むしろ帽子に近い。」
「なぜあれを選んだのか?」
「世の中にはもっとフィットするカツラがあるはずだ。」
「なぜあれを!」
「マープって、カツラ?」
「いや、増毛?」
「増毛ってどういうの?」
「んー、わからんなー。」
「あ、コーヒーください。」






「だからチャン・イーモウは開会式でショー仕立てにして中国の歴史を世界に紹介したのかね。中国は昔からこんなに文明持っててすごい国なんですよーって。」
「どうだろうねえ。チャン・イーモウ。しっかしすっばらしかった。」
「映画監督ならアン・リーも良かったな。映像の美しさはアン・リーもすごくない?グリーン・ディスティニーとかラスト・コーションとか。きれいだった〜。」
「アン・リーは台湾出身だからね。大陸出身の映画監督でしょう、ここは。」
「チャン・イーモウ、HEROがよかった。」
「私もあれ、好きー。」
「そういや”初恋のきた道”もチャン・イーモウだよね。」
「そそそ。チャン・ツィイーがきのこの餃子持って走るやつ。」
「すっごい足速いんだよ、両手鍋持って。こぼさないし、餃子。」
「あの映画のプロモーションでチャン・イーモウのインタビューの時、隣でチャン・ツィイー、ずーっと鼻毛抜いてたよ。」
「鼻毛っすか!」
「やるな、チャン・ツィイー。」
by mareemonte | 2008-09-22 08:29 | | Trackback
北京オリンピック 2  ジャケットレスリング
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夏休みに友達が高野山へ旅行したそうで、そのお土産の胡麻豆腐。
とってもおいしくて私ひとりで食べました。わーっはっはっは。








「谷亮子は三連覇はならなかったですね。」
「そうだねえ。」
「山岸、可哀想だよね。オリンピック選考会で勝ったのは彼女だったのに。」
「世界柔道の時も谷は選考会で福見に破れたでしょう。でも結果、本番で彼女は金メダルをとった。そういう勝負強さは彼女にはあるんだよ。それに谷の場合、バルセロナ、アトランタ、シドニー、アテネと4大会連続でメダルをとっているのね。確実にメダルを、と思ったら谷だったんだろうね。」
「ふむ。」
「4大会連続でメダル、ってとてつもなく大変なことだから。」
「たしかに。」
「それに今回も銅メダルとったし。5大会連続でメダルだから。これ、すっごいことだから。出たオリンピック100パーでメダルとってるから。」
「たしかに〜。」
「でも嬉しそうじゃなかったね。」
「そうねえ。負けからは何も学べない。勝つことからしか学べない、って前言ってたし。」
「勝負師なんだよね。」
ずぴー。
「あ、ジンジャーエールなくなった。すみません、ジンジャーエールくださーい。」
「ねえ、アイスティーだとお代わり自由だよ。」
「そうなんですか?かえるー。すみませーん、今ジンジャーエール頼んだんですけど、アイスティーに変更してくださーい。」





「ヨーロッパだとさ、柔道って別の呼び名があるのよ。なんて呼ばれてるか知ってる?」
「いやー。知りません。」
「ジャケットレスリングっていうの。レスリングだよ、レスリング。」
「日本人的にはレスリングはレスリングで柔道は柔道ですよね。」
「そうでしょ。レスリングが悪いっていってるんじゃないよ。ただね、日本人はレスリングと柔道は別ものだとはっきりと思っている。そうじゃない?」
「そら、そうですわ。」
「だけど柔道とレスリングをそんなに分けて考えてない国もあるってことなんだよね。」
「ふむふむ。」
「柔道をジャケットレスリングと呼んでしまうということは衣服をつけたレスリングということで、だから柔道着を試合の勝ち負けに使っていこう、とする人も多くなるということなのね。」
「それってどういうことですか?」
「奥襟の寸を詰めて組み合えないようにする、袖を短くして引き手をとられにくくする。それだけじゃない。袖や奥襟に固い芯を入れてとられにくくしたりね。」
「それ、反則じゃないですか。」
「そう、反則。」
「それで試合は駄目でしょう!」
「抜き打ちで検査をしているけどね。袖の長さ、襟の寸。それ用のスケールがあってね。規定の寸法がない柔道着をきていると即刻着替えね。」
「まあ、なにしろ日本の柔道の意識とはかけ離れてるってことですね。」
by mareemonte | 2008-09-20 22:41 | | Trackback
北京オリンピック 1
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北京オリンピックって、あんたいったいいつの事だよ、ってな話ですが。


この夏休み、かつての職場チーム女子4名でこちらにて会合がありました。4人全員集合出来たのは実に5年ぶり。トーク炸裂、場所も変えてなお炸裂、気が付けば始発電車が走っていた・・。ああ、なんと楽しかったことか。(しかしその会話は女子トークというよりもおカマバーのママトークといった方が正しいと思う。ぷぷぷ〜。)



んでもってこの日は北京オリンピックが開催されていた頃だったので話題はもれなくそちら方面にも及んだのですが、この会合の中にオリンピック関係者がいたのでその内容は自ずと濃いものになるわけでして。



「オリンピックの開会式、選手はみんなカメラを持っているでしょう。」
「ええ。」
「選手同士も写真を撮るのね。」
「あー、そうですよね。やっぱり。」
「で、選手同士でも”写真撮ってくださーい”とかあるんだよ。」
「をを!そうなんだ!」
「アテネ五輪の時の一番人気って誰だと思う?」
「アテネかあ、まだ北島も金メダルとってないしなあ。開会式ですもんね。」
「うむー。誰だろ。」


しばしみんなで考える。


「やわらちゃん。」

「へえ、そうなんですか。」
「彼女はね、やっぱりすごいんだよ。普通、選手って試合直前って気持ちが高ぶるし、気がたつのね」
「あー。そうですよね。テレビに出て解説しているかつての選手達、今ではにこやかで感じがいいけど、選手時代は決してそうじゃなかったですよね。恐いなあ、と思ったことがあります。バレーボールの大林とか。今じゃあお笑い好きの明るい姐さんだけど。」
「そうでしょ。でもそれが普通なの。だってさ、試合の直前に見ず知らずのおっちゃんが”あんたが負けたら日本はどうなるんだ”とか”死ぬ気でがんばれ”とか声をかけてきちゃったりするの。まーったくさー。」
「あ、そういう人いるんですか。でも・・。確かにいそうだな・・。」
「でもね、やわらちゃんは違うわけ。そんな不躾なおっちゃんにも”ありがとうございます”とか”頑張ります”とか答えちゃうんだよね。」
「ををー。」
「それでいて勝つでしょう。勝ちに対する瞬発力と集中力は尋常じゃない。だから選手もみんな憧れるんだよね」
「ふうん。」


「オリンピックに選手は勝ちに来ている。負けるつもりできている選手なんて一人としていない。やっぱりね、参加することに意義があるというのもあるけどね、勝ちたいよ。それが選手だから。」
「そうですよね。」
「でもね、本当に独特なの、雰囲気が。その熱気、エネルギーが。」
「うーん・・。すごそうですね・・。」
「で、やわらちゃんはそんな中でも確実にメダルをとるわけ。」
「すっごい人ですねえ。」
「そう。本当にすごい。」




写真はこの日食べた「枝豆ととうもろこしとイカの炒め物」を真似して作ったもの。
by mareemonte | 2008-09-17 09:44 | | Trackback
横須賀  HONEY BEE
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18歳になってすぐに免許を取った友達が夏休みに江ノ島へドライブに連れていってくれた。友達4人で行く車での初の遠出に幼稚園児のように興奮し、眠れなくなった私はまんまと当日に寝過ごした。みんな分担でお弁当を作っていくことになっていて、私はサラダ担当だったけれど、もちろん作っていくなんて出来ない。レタスを丸ごとバッグにほおりこみ「ごめん、これ持ってくるしか出来なかった」「えーっ!あんたって信じられない!」みんなにぺこぺこ謝りながらもおにぎりと唐揚げと葡萄と塩さえかかってないレタスを食べ、食事をおおいに満喫し、江ノ島を探索した。

さんざん遊んでいたら夕方になった。帰りは国道134号線が混んでいるから遠回りして横須賀の方へ抜けよう、ということになり、車を走らせた。楽しくて浮かれて車の中で歌っていたらポツリ、と音がする。雨だ。雨は初めポツポツだったのに本降りになり、すぐに前が見えなくなるほどの殴りつけるような雨に変化した。





この雨、こわい。
そうだね。
雨宿りしようよ。
あ。あのネオン何だろうね。
タコスってかいてある。
入ってみる?
いいね。






雨が少し落ち着くまで私たちは派手なネオンサインのついているダイナーで休憩することにした。店の扉を押す。表のネオンはギラギラとしているのに店内は薄暗く、大きなメニューボードの蛍光灯の青さが目立つ。高い天井にはファンが音をたててまわっていた。店のテーブルは一つで、それは巨大な横長のカウンターだ。椅子がずらっと並んでおり、一番奥が空いている。18歳の小娘達がこの店の奥まで入っていくのは少し勇気がいった。だって毒気と気怠さ。会話のさざめきと笑い声。煙草の煙とタトゥーの入った腕。この店には不健全な魅力が溢れていた。




なに、食べる?
私、タコライス。
タコライスって、何?
知らない。
蛸が入ってるのかな。
それなら蛸飯、って書くんじゃないの?
そうだね。


結局私達はチリドッグとコーラを頼んだ。それを食べ終わり、そろそろ帰ろう、という頃には雨は小降りになっていて、私達は店の雰囲気にもすっかり馴染んでいた。


















随分とこの店の事を忘れていた。突然思い出したのは葉山から横浜へ帰る時、鎌倉からだと混むから横須賀をまわって帰ろう、と夫が言ったからだった。


それならさ。行ってみたい店があるんだけど。
いいよ。



横須賀のインターを通り越し、海の方へ車を走らせる。横須賀米軍キャンプの目の前にあるこの店は20年近くたった今も昔と同じ風情でそこに建っていた。




あそこ。








車を停め、店内に入る。時間が早かったからか、客は少なく、店は閑散としていた。メニューボードは昔と同じままの大きさだったが、昔はドルと円表示だったのに、円表示のみになっていた。客が少ないからか、灰の乗った灰皿や破られたストロー袋、飲みものが入ったグラスや、食べかけの皿などがカウンターに乗っていない。カウンターはやけに清潔で明るかった。まるで昔見た風景は幻だったかのように。





一番奥に座り、昔食べたメニューと同じものを頼んだ。チリドッグ。そう、この味。味は変わってないんだね。おいしい。雨の日に迷いこんで入ったこの店で食べたチリドッグ、一時は気に入って車を飛ばしてこれだけ食べに来たこともあったっけ。




チリドッグを食べ、コーヒーをゆっくり飲んで帰る頃、きれいな脚で煙草の似合う女の子達が店に何人か入ってきた。そうだ、変わったのは店だけじゃない。子供達の寝る時間に合わせて早い時間に帰ろうとしている私のほうこそ変わったんだ。夜もふけたら私が昔知っていたハニービーはそのままの姿を見せるに違いない。きっとそう。
いつかまたふらり、と夜中に車を飛ばしてチリドッグを食べにくることもあるだろう。この雰囲気、やっぱり好きだから。ずっとここでこの店が続いていますように。








横須賀市本町2ー1 本町ビル1F
046-825-9096
11:00~3:00(LO)
水曜休
by mareemonte | 2007-08-22 00:01 | | Trackback
新宿・3
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金魚ちゃんと別れてからシアタートップスで吉本のライブを一本見た。その後午後4時からインタビュー。待ち合わせ場所はニュートップス。シアタートップスという小劇場の入っているビルの一階がニュートップスという喫茶店となっている。昔の事なのできちんと覚えていないが、インタビューする側は大物脚本家である。こちら側が待ち合わせ場所を指定したのではなかったように思う。相手の希望を聞いていたはずだ。不思議な日だった。全て約束が新宿に集結していた。



このインタビューは本来は私の仕事ではなかった。先輩の仕事だったのだけれど、どうしてもこの脚本家に会いたかった私は無理をいって、同席させてもらったのだ。
「呼んで下さって有難うございます。大人しくしてますから。」
「大人しくしてるの?聞きたいことあるから来たんでしょ?」

ただ見たかっただけです、なんて本音はとても言えなかった。
「はい。じゃあ、質問してしまうかもしれません。」






苦しまぎれの嘘を言った。















本物が目の前にいる。


一見普通の初老の男性に見えなくもないが、新宿の喧噪の中を歩いてきたとは思えない静のオーラに包まれていて、どこか俗世界とは一線を画した雰囲気があった。




私は脚本家の目を見ることが出来なかった。恐ろしいような、恥ずかしいような、逃げ出せるなら逃げ出したかった。あんなに会ってみたかったのに。出来ることなら隣の席でたまたま居合わせた人間になりたいと思った。その位の距離があればよかったのに。そのくせ脚本家がコーヒーを飲んだ隙にチラチラと盗み見る。洞察力の鋭い脚本家にはさぞかしけったいな人間に見えたことだろう。







「看護学校を出て看護の仕事をするっていうのは社会ではとても役立つんです。でも学校名を隠すんです。そんなの、おかしいでしょ。一流大学の名前に怯む必要なんて全くないんです。」
脚本家の代表作と呼ばれる一つに看護学校の生徒と名の通っていない大学生の恋愛が軸になっているドラマがある。たしか、このドラマの話をたくさんしたはずだ。緊張しすぎていたからか、記憶が断片的でしかない。あまり覚えていない。多分顔をのぞき見る事に必死だったからだと思う。





だけど一つだけくっきりと、鮮やかに今でも思い出す言葉がある。



「人は人とつながっていたいんですよ。」



インタビューが終わったあと、少し雑談をした。その時の脚本家の言葉だ。

「以前とてもいいドラマを見ました。橋の上においでよ、という田向さんが書かれた脚本のドラマで。NHKでやっていたんですけどね。」
「あ、それ見ました。主人公の男の人、よかったです。」
「僕も思いました。堤真一くんといって新人なんですよ、あの人。」
「そうなんですか。」
「あのドラマは予備校生がテレクラで知り合った女性と会うか会わないか、そういうドラマだったのですが。」
「ええ。」
「テレクラで知り合った人に会うなんてこわいじゃないですか。」
「はい。」
「でもあの青年は恐さのリスクより寂しいほうが耐えられないんです。だからこそ危なさも恐さも分かっているのに会いにいってしまう。それはね、やはり人とつながっていたいからだと思うんです。最後のシーンが素晴らしかった。橋の向こうに女の人が立っている。渡るか、渡らないか。そこで話が終わるんです。」
「はい。」
「女の人の目の前に立つのか、引き返すのか、それは視聴者の気持ちが最後のシーンを決めるようになっていたんですよ。あれはいい演出でしたね。」


脚本家は言う。
「きっとこれからの時代、もっと人は人とつながっていたいと思う気持ちが強くなるでしょう。僕はそう思っているんですよ。」


この日の出来事は春だった。








新宿伊勢丹に自分の靴と子供の弁当箱を買いに行った時、そういえばあの日は春だった、と懐かしい気持ちになり、昼は車屋別館で肉を食べた。昔と変わらず店はそこにあり、肉はおいしかった。少し遠回りしてニュートップスの前を通りかかる。あった。この店も変わらずそこにあった。変わったのは人間ばかりか。あのインタビューの後、脚本家は「もうドラマを書くことはないと思います。」と新聞で発表した。金魚ちゃんは実家に帰った後、何年か年賀状のやりとりがあったが、ある年に宛先不明で手元に戻ってきてから消息知れずとなった。みんなそれぞれの橋を渡ってしまったのだろうか。


「人は人とつながっていたいんですよ。」
静かに語る脚本家の顔を今でも思い出す。つながっていたい。でも実際は生きている限り変わっていく。時間が過ぎるとはそういうことだ。






いつか金魚ちゃんに会うことはあるのだろうか。多分、ないはずだ。それでいい。
by mareemonte | 2007-04-09 21:45 |
新宿・2
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「ごめんなさい。」

かろうじて謝ったが、その声は聞こえただろうか。小さな声しか出なかった。
足早にピンクのカーテンの向こうから立ち去り、コンビニのドアを押し開け、金魚ちゃんの店に続くエレベーターの前にたどり着く。さっきの、私の事をすごい目で睨んだ男のカップルが追っかけてくるんじゃないか。殴られるんじゃないか。早くエレベーター、来て。早く。早く。私の心臓は早鐘のように打ち響いていた。






「あらあ、早かったわねー」
店のドアを開けると緑のTシャツにジーンズ、スニーカーの金魚ちゃんがカウンターに座りながら帳簿を見ていた。血相変えて店に飛び込んできた私を見て
「ちょっとおー、何事なのおー?」
と優雅な調子でグラスを出し、そこにウーロン茶を注いでくれた。

「今ね、下のコンビニでトイレを借りようと思ったのね。私、ピンクのカーテンの向こうがトイレだと思ったのね。そしたら違ったの。で、そこにいるカップルにすごい顔で睨まれてちゃって、でも足がうまく動かなかったから、カップルがこっちに向かってきたのね。で、力をふりしぼって謝ったんだけどね、小さな声しか出なくって、それでまた怒らせちゃったかもしれないの。追っかけてこられるかと思って、もう、こわくてこわくて」
涙ぐみながら一気に話を捲し立てる私を金魚ちゃんは呆れて見ていた。

「優子。あんた、二丁目のこと、何も分かってないのね。」
「うん。分からないよ。」
「よくそれでうちの店、来てたわねー。」
「私は二丁目に興味があるんじゃなくて、金魚ちゃんの店が好きなだけだもん。」
「あら。嬉しいこと言うわね。駄目よ、私に惚れちゃ。」
「惚れないので、平気です。」


金魚ちゃんの顔を見てほっとして、ウーロン茶を飲んで少し落ち着いた私は軽口がたたけるようになっていた。


「普通はさ。向こう側に渡ってはいけない扉って、なんとなく分かったりするじゃない。ああ、あそこは私の入ってはいけない扉だって。でも下のコンビニのカーテンにはそのオーラがなかったんだよね。あまりにも普通にカーテンが下がっていて。あれじゃあ、分からないで入る女の人だっていると思う。」
「アタシたちには分かるんだけどね、ゲイの扉は。」
「そういうもの?」
「そういうもの。」

金魚ちゃんは細い煙草をケースから取り出して火をつける。その手は男の太い指なのだが、仕草は流れるようで、しなりがあり、情感をたたえていた。


「優子、じゃ、疲れたわね。」
「うん、疲れた。」
「じゃ、肉ね。」
「肉?」
「そうよ、ランチ。肉よ。」












歌舞伎町の怪しい雰囲気の中で周りから浮きあがっている店がある。名は車屋。本店の入り口の御所車には華々しく生花が活けてあり、店内には岡本太郎の本物の絵が飾ってある。その店の別館がバーニーズニューヨークの斜め向かいにあり、この店の1階では鉄板焼を食べさせてくれるのだ。別館の鉄板焼きは昼は手頃な値段設定でおいしいランチをやっている。平日はサラリーマンあり、おばちゃんあり、親子連れあり、昼間にスタジオアルタで収録をしているテレビ番組の出演者あり、一括りに「こんな人達が多いです」とは呼べない混沌とした客層で、面白かった。






真っ白いコックコートに高い帽子のシェフが目の前にやってきて肉を焼きはじめた。綺麗にサシの入ったピンク色の肉はあっという間に焼き色をつけ、おいしそうな匂いが立ちのぼった。シェフは焼けた肉をよく切れそうなナイフとミートフォークで器用に肉を切りさばく。シェフの動きには無駄なく美しかった。


「アタシ、目の前で肉を焼いてもらうのって、好き。」
「うん。私も。楽しいよね。」
「疲れてる時は肉に限るわ。野菜なんて食べてちゃ駄目。肉よ、肉。」
「そういうもの?」
「そういうもの。」
金魚ちゃんは肉が好きだ。疲れているから、と言って肉を食べ、楽しいから、と言っては肉を食べる。魚を食べている所を見たことがなかった。





「実家に帰るのよ。」
「どうして、急に?」
「この商売、親に内緒だったんだけどね。バレたの。」
「なんで?」
「さあ。どうしてだろうね。」
「内緒事ってなかなか全う出来ないものなのかな。」
「そうね。そんなものなのかも。それにね。親が老けてきちゃってね。そろそろ近くにいないといけないのかなって。アタシさ、長男なの。」
「そうなんだ。」
「優子はまだ若いから分からないかもしれないけど、親が老けてくるって、寂しいもんなのよ。いろいろ考えるしね。」
「戻ったら、どうするの?」
「まだ考えてないけどね。」
「金魚ちゃんが先の見通しを立てないで行動するなんて、信じられない。」
「そう?」
「そうだよ。金魚ちゃんは将棋だったら、8手先くらいまで読んでいるような人だと思っていた。」
「それは、買いかぶりすぎだなあ。アタシ、あなたが思ってるほどちゃんとしてないのよ。結構いきあたりばったりだったからさ。今まで。」
by mareemonte | 2007-04-08 14:06 |