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メタルビーズ教室は8月までお休みです。教室の皆様とは秋にはお目にかかれますように。インスタグラムやってます。metalbeadsroom 下の青いアイコンをタップしてください
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三谷幸喜 ベッジ・パードン 千穐楽
三谷幸喜 ベッジ・パードン 千穐楽_b0048834_22425418.jpg

7月31日(日)世田谷パブリックシアター マチネ
深津絵里 野村万斎 大泉洋 浦井健治 浅野和之

オープニングの歌はWouldn't It be Loverly。
映画「マイフェアレディ」でオードリー・ヘップバーンが歌っていることで有名な歌。コックニー訛りを話す花売りのイライザ(オードリー)が大学教授に徹底的に発音を矯正され、レディになっていくお話。なんつーか、よく考えたら人の使う言葉を勝手に変えるなんざ失礼千万ですが。いいのかイライザ。そいつエゴイストだぜ、恋に落ちてる場合じゃねえぜ、みたいな。



物語の舞台は、夏目金之助=漱石(野村萬斎)が明治政府の命を受け、ロンドンへ渡った1900年。結婚していた金之助は日本に妻子を残しての給費留学だった。日本では英語教師だった夏目は自分の英語が伝わらなくてショックを受け、口数が減り、なかなか喋る事が出来ないでいる。階下には貿易会社の駐在員、畑中惣太郎が(大泉洋)が下宿。惣太郎は英語を流暢に操る社交的な男。惣太郎は金之助に「日本語を使うな。せっかく英国にいるのだから、日本人同士でも英語で話すべき」と日本語を恋しがる金之助にも英語を使うように強要する。

まったく自分の英語が通用しない金之助でもアニー(深津絵里)だけは別だった。アニーは下宿先の住み込みの家政婦で、コックニーの出身。Hの発音が出来ない。「ハイ」は「アイ」となる。あけすけで学がなく、でも可愛らしくまっすぐな性格のアニー。

「君となら何故か楽に英語が話せる」
「それはあんたがわたしを下に見ているからだよ」
「・・・。」
「いいんだ、慣れてるから。」

コックニ―訛りがあり、労働者階級。上流階級から差別をされるアニーに自分の言葉にコンプレックスを感じる金之助は通じる所を感じる。そして少しずつ2人は気持ちが打ち解けていく。

ある日突然アニーのもとに弟が現れる。
グリムズビー(浦井健治)という名でいかにも裏街道で生きてます的な風貌。
金之助と惣太郎を見て
「おめえは、アイツが好きか?」
「惣太郎さんは、良い人です」
「良いヤツって、なんだ?」
「世話を焼いてくれます。」
「世話を焼くのが、良い人か?あいつは気をつけろ。お前に英語を喋らせない。」
と言うだけ言ってまだどこかへ消えてしまう。


ある時金之助の英語の先生クレイグ(浅野和之)が金之助に言う。
「日本から来た留学生に会いたいという人がいる。ハモンド牧師とセントクレア夫人だ。話をしておくから会ってほしい。英国人は人種差別はしない。ただ興味はある。」
どんなにアニーがお茶とお菓子を勧めても口をつけることがないクレイグ先生にアニーは怒りを覚える。
「あの人、あたしがコックニー訛りだから口をつけないんだ。」

ほどなく金之助のもとに現れるハモンド牧師とセントクレア夫人(共に浅野和之)。
「あら!ちゃんとしている!」
と言って笑いだす夫人達。
そう、人種差別はしない。ただ興味があるから。
暴言を吐いたり皮肉を言ったりという失礼なことはしないのだ。
折り目正しく、礼儀をわきまえ挨拶する金之助を見てただ、笑っている。

打ちのめされる金之助。
その様子にいたたまれなくなって笑う英国人を追い払う惣太郎。
「惣太郎さん、今だけでいい。日本語をしゃべってくれないか!」
惣太郎に哀願する金之助。
惣太郎が喋る日本語はズーズー弁の秋田弁だった。
「日本でだって差別されたんだ。俺は英語を喋る。」

落ちこむ金之助に夢の話をするアニー。
「夢の話なんかするな!」
しかしはたと気付き、
「今のは言葉がきつすぎました。ごめんなさい。」
謝りながらも夢の話を今は聞けないと拒否する金之助。
「私はずっと怒られてばかりだった。唯一、違うと言われないのは夢の話をする時だけ、だから、夢の話をするなと言わないで。私には夢しかないから。」
消え入る言葉をなんとか振りしぼって話をするアニーを
「君は私だ。」
と抱きしめてしまう金之助。

金之助は妻も子供も日本にいた。せっせと日本に手紙を書けども妻からは1通の返事も来ない。言葉の出来ない不安と寂しさ。アニーと金之助は恋仲になるが、妻子がいることをアニーに言いだせない金之助。

ある日下宿を経営する女主人の旦那(浅野和之)が飼っていた犬が死んだからと家を出た。
女主人(浅野和之)は言う。
「もうここを経営出来なくなりました。今日ここを出ていってください。」
アニーに金の無心にきていたグリムズビーが惣太郎の部屋の引っ越しの手伝いをすることになり、金之助にあてた妻からの手紙を発見してしまう。

「惣太郎さん・・・。どうして・・・。」
「お前がうらやましかったからだよ」
「どうして・・・。惣太郎さんは英語もうまくて社交的で羨ましいがられることなんて」
「お前にあって俺にないものがある」
「なんですか」
「センスオブユーモアだよ」
「俺はお前に日本に帰ったら英語教師になれるよ。ところで日本では何をやっていたんだい?と聞いた。その時お前は英語教師です。と言った。英語教師でした、でもなく、英語教師をしていました、でもない。もっと広い意味で公務員でした、だってよかったんだ。でもお前は英語教師です。と言ったんだ。それだよ。それがセンス・オブ・ユーモアだ。それが俺にはない。言葉が多くても会話がすぐに終わるんだ。イギリスの生活で必要なのはセンス・オブ・ユーモアなんだよ。俺は面白い事は言えない。でも面白いことは分かるんだ。」

妻から届いた手紙が散乱する。
それを拾い集めるアニー。呆然としている。

妻から送られた赤いネクタイを惣太郎は首からはずしながら
「奥さん、子供が生まれたってさ」
とアニーの前で金之助を祝福する。

金之助と一緒になる事を決めていたアニーだったが、金に困ったグリムズビーの為に一緒に金之助の元から去るのだった。



台詞部分はざっくりとこんな感じ、と思って見てください。舞台を見ただけで脚本は確認していないので細かい所が違うと思います。


三谷幸喜 ベッジ・パードン 千穐楽_b0048834_2311869.jpg

最初は金之助が作家になるまでの道筋を彼の精神世界に踏む込むような形で描く、ロンドンでひきこもり状態になってからの話で、もっと重くディープな展開を想定していました。けれどあの3月11日の震災が、僕の考えにブレーキをかけた。当時は「国民の映画」の上演中。僕が長年温めていた題材が結実した大好きな作品ですが、これまで創った中で最も暗くシリアスな舞台で、「こんな時こそお客様を底抜けに楽しく笑わせたい!」という僕の方向性とは違う方向性だった。(ベッジ・バートン パンフレットより抜粋)

三谷さんはこの脚本を震災の後に書き直したようで、以前のものよりハート・ウォーミングなものになっているようなのですが、確かにものすごく面白いんだけど、ハートウォーミングな作品かと言われたら、そうかね?どちらかといえば各登場人物が持つコンプレックスや暗い部分がきっちりと描かれていて、ハートウォーミングって感じではなかったな。もちろん台詞のやりとりでは笑いまくって、それは楽しいけど、物語の全体に流れる主題は切なさを深く感じました。面白くて心温まる、というより面白くて悲しく、切なく、優しい舞台。そういう風に思えた。

例えば惣太郎。流暢に喋っていた英語から日本語へ切り替えた時にズーズー弁の秋田弁になるんだけど、ここで笑いが起きるわけです。でもさー、これってどうして笑うの?標準語よりズーズー弁が面白いって思ってるから笑うんでしょ?訛りが可笑しいって笑ってるんでしょ。これ、コックニー訛りを馬鹿にしているのとたいして変わらないじゃん、と思うわけ。

アニーは最終的には売春婦になって死んでしまう。アニーと会えなくなった金之助はますます下宿にひきこもり、窓も開けないような部屋でじっとして暮らしているんだけれど、アニーの亡霊が金之助を励ましに来ます。そこでアニーが「今度はあなたがはなす番」ときちんとしたHの発音を使った流暢な英語で金之助に話しかけるんですけど、それも見ていて切なかった。肉体が滅びても魂は永遠だ、という説があるけれど、これについて私は何ら否定はしないけど、実際夢に出てきてくれたとか、魂と会話が出来た、なんて人は圧倒的に少数派だと思うんです。肉体が滅びてしまうと、意思の疎通は不可能になる。それが多数派だと思う。震災で多くの命が奪われてしまって、その命と対話したい人がどれだけいるか。でも出来ないんだよね。殆ど。もしこの最後のシチュエーションが震災前と同じプロットだったら、それはそれなんだけど、震災後にアニーの魂が金之助に会いにきたと変更されていたならば。そう思うと心が温かくなる、というよりは切ないなあ、と思う気持ちが勝ってしまったのでした。

今回印象的だったのは「センスオブユーモア」を渇望する惣太郎の台詞。これは三谷さんの脚本に対しての決意みたいなものが透けて見えたように思えました。夏目金之助に三谷さんは自分を重ね合わせてるんじゃないかなあ、なんて思ってしまうほどの言葉への拘り。ま、そこら辺も計画通りなのでしょうが。

そして旦那に逃げられた女主人に金之助が
「大事だからこそ口に出して伝えなければならないのではないですか?」
という台詞。これはパンフレットでも三谷さんが書いています。

「星の王子さま」の有名な一節「大切なものは目に見えない」という言葉が嫌いで。今回台詞にも書いたけれど、大切なら、見えないまでも言葉にはすべきだと思うんです。言わなければ人には分からない、言葉にしなければ本当の気持ちは伝わらない。僕が49年間生きて来て学んだ、そんなこともこの作品には反映されています。

含蓄深いお言葉ですな。三谷さん、特定の方へお伝えしてないですか?

今回の作品は物語の前半の何でもなさそうな台詞が後半に重要な意味を持つとか、「こんな夢を見た」から始まる夏目漱石の「夢十夜」がアニーの夢の話とつながっていたり、三谷さんの言葉に対しての配慮と緻密さに舌を巻きました。浅野和之さんは劇中で11役やられたのですが、これは金之助の「英国人が全て同じ顔に見える」と台詞に対してのギミックでしょう。1人で11役って!どの役も完ぺきにキャラクターが変わっていたし。すごい技術です。

それにしてもこの役者陣の豪華さはなんなの~。全員素晴らしかった。野村万斎さんはいかにも繊細で真面目な明治の男でぴったり。客演が初めてとは思えない大泉洋さんはあて書きですよね?なはまり役。深津絵里さんは声も透き通っていて魅力全開。浦井健治さんは歌がお上手でした。そして1人で11役もこなされた浅野さんの巧者ぶりには驚くばかりでした。
by mareemonte | 2011-08-01 06:06 | 劇やら映画やら
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