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メタルビーズ教室 
by mareemonte





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メタルビーズ教室

・横浜教室
平日行っております。
ご希望の方は
hayatayuko@gmail.com
へご連絡頂ければと思います。
詳細をご連絡致します。

メタルビーズ教室は分教室は一切ございません。





ご質問等は
mareemonte@excite.
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野田地図「MIWA」2013年10月
野田地図「MIWA」2013年10月_b0048834_9481083.jpg


1992年4月号のJJで野田さんと美輪さんの対談があった。野田さんは美輪さんと同じ格好をしての対談だった。あまりのビジュアルの衝撃に今でもそのページの二人の写真は覚えている。その対談は連載で、いつも野田さんは女装をしていて、いつも、誰に対しても面白くてシニカルで辛辣な事ばかり言っていてた。牧瀬里穂さんとか出てたと記憶している。当時の私は演劇に全く興味がなく、「なんでこの人、こんな恰好で面白くてきつくて酷いことばっか言ってるんだろう」と思いながら読んでいた。(読み物としては面白かったから。)ただ、美輪さんの時の対談は違った。どんな対談だったかよく覚えていないけれど、いつもの辛辣さはなくて、美輪さんに対しての尊敬が全面に出ていた。それが印象的だった。あの記事読みたいな。当時の私にそのJJ、捨てずにとっておきな、と言ってやりたい。

2014年1月13日追記 JJの野田さんのページ担当だった方から野田さんの1992年4月の記事を送って頂きました。本当に有難うございます!!!!!
「野田秀樹ミーハーの殿堂」という連載。そうだった、そうだったよ!懐かしい!

ミーハーの御誓文
1ミーハーの基本は、おばさん
2ミーハーはユーメーなものが好き
3好きだからこそ、ちょっといぢわる
4「ほんとのとこはどーなの?」が口癖
5家庭の話をしたがる
をコンセプトに野田さんがゲストと喋りまくるというものでした。おばちゃんの目線でのインタビューだから女装だったんだね。今、気が付いた。しかし改めて読むと本当にひどいことばっかり言ってるなー(笑)野田さんも酷いけど、美輪さんが酷い!(爆笑)今は皆に尊敬されて聖人君子みたいな印象だけれど。とても酷いのでここに書くのは自粛します(爆)そして何が驚くって20年以上前の記事なのに美輪さん、変わらない。外見が変わらない―。野田さんはものすごく若い。めちゃめちゃ若い。20年前のJJって前半は女子大生向けのファッション誌だったけど、後半の読み物記事ははっちゃけたものが沢山あったんですよね。宇宙飛行士の向井千秋さん(当時)の恐ろしいほどぶっちゃけたインタビューとか。すんごく面白かったんだよなー。

野田地図「MIWA」2013年10月_b0048834_9482477.jpg

2013年 10月12日ソワレ 東京芸術劇場

MIWA                                     宮沢りえ
赤絃 繋一郎(幼恋繋一郎、初恋繋一郎)               瑛太
マリア (継マリア、 継々マリア、赤絃まりあ、松葉杖の少女)   井上真央
最初の審判(通訳、ジュルルデ・ツーヤク、青年刑事)        小出恵介
ボーイ (ボーイ転じて先生、ギャルソン)                浦井健治
負け女(女給、チャチャチャ・マンボ)                   青木さやか
半・陰陽(父、日影陰気、日向陽気)                  池田成志
オスカワアイドル(MISHIMA)                      野田秀樹
安藤牛乳                                   古田新太

雲の上では明日地上に生れ落ちる命達が行列している。最初の審判(小出慶介)が踏み絵をさせている。男性器の踏み絵を踏めたら女。踏めなかったら男。男でもなく女でもないMIWA(宮沢りえ)が迷いながら自分の順番を待っている。女にしか見えない外見。でも踏み絵は、踏めない。踏み絵に躊躇していると、最初の審判に「お前のような化け物は世の中に生まれ降りてはいけない」と言われる。地上に降りてみたいMIWA。
そこへ別の化け物が鉄砲玉みたいに走りこんできた。勢いよくMIWAの手を絡めとり、二人は地へ落ちていく。MIWAの手をとったのはアンドロギュヌス(古田新太)。
アンドロギュヌスは男でもあり、女でもある。小さいMIWAはアンドロギュヌスと発音できない。安藤牛乳、と言い間違え、アンドロギュヌスは安藤牛乳と呼ばれるようになる。


地上。
長崎。
ポルトガル、ロシア、オランダ、イギリス、朝鮮、中国、さまざまな国の人々がそれぞれの容姿で、それぞれの暮らしを営んでいた。海を越えて渡ってくる食べ物、映画、音楽。カラフルな色で彩られた街。色をたっぷり含んだ街。長崎は色気のある街だった。そこに一人の赤ん坊がマリア(井上真央)の体を通してやってくる。男でもなく女でもないMIWAの魂と、男でもあり女でもあるアンドロギュヌスの魂は玉のように美しい肉に一緒に宿った。赤ん坊は男の子で、臣吾と名付けられた。ボーイ(浦井健治)や女給(青木さやか)が赤ん坊を見てあやしている。

MIWAは自宅で経営しているカフェや料亭、近所の女郎屋で男女の色恋、裏切り、別離などを間近に見ながら、映画を見て、音楽を聴いて、美術骨董屋で美しい某かを眺め、育っていった。母は二人目。MIWAを宿したマリアは早々と死に、継マリア(井上真央)に可愛がられてMIWAは成長する。

やがて戦争が始まる。
劇場にかかる演目が変わった。ボーイは白と黒の箱の中に納まってしまった。
MIWAは毎日背中に防空頭巾を背負い、絵を描いている。
美しく育ったMIWAは疎開で長崎に来ていた幼恋繋一郎(瑛太)に恋をした。

その日も絵を描いていた。
窓の外が光った。
こんないい天気の日に、と思うやいなや轟く爆音と地響き。たちこめる煙、爆風、空襲警報。涙、叫び、血、火ぶくれし、ずるむける皮膚、地面に落ちる肉塊、骨。郵便配達夫、医者、学生、主婦、子供、工員、街中に死の灰が降る。ボーイ転じて先生が生き残った人間の点呼をとる。幼恋繋一郎は呼んでも返事をしない。


野田地図「MIWA」2013年10月_b0048834_10371472.jpg



アメリカ人記者と通訳(小出恵介)にその日、その時間何が起こったかを聞かせるMIWA。
「この爆弾は天罰だ。この原爆のおかげで、戦争が終わった。今、この同じ時間にアメリカではパーティーが始まっている。原爆を投下し帰還した少佐が報告する。将軍が「それでこのパーティーに遅刻したんだな」と言う。会場は笑いに包まれる。」
アメリカ人記者の言葉を通訳がMIWAに伝える。
「その口からどんな言葉が出てるか、わかってる?」
通訳に尋ねるMIWA。
「自分は通訳しているだけだから」答える通訳。

帰ろうとするアメリカ人記者と通訳に
「僕はあの時十歳だった。僕の話はまだ終わらないんだ」
と立ちはだかるMIWA。16歳になっている。
「観客は一人いればいいだろう。もっと君の話が聞きたい」
MIWAに話をせがむオスカワアイドル(野田秀樹).
野田地図「MIWA」2013年10月_b0048834_10372326.jpg


焼野原で四葉のクローバーを探すMIWA。初恋繋一郎(瑛太)に渡すためだ。二人で映画に行く初恋繋一郎とMIWA(と安藤牛乳。)三人目の母、継々マリア(井上真央)は同性愛者のMIWAを疎んじて東京へうっちゃればいい、と言う。映画を見ながらうつむくMIWA。映画の中の愛は男と女だけのもの。男と男が愛し合ってはいけないのかと思い悩む。そして同じ肉に宿りながら沈黙を続けていた安藤牛乳が歌いだす。初恋繋一郎はその歌声を賛美する。
「君、絵より歌のほうがいいよ」
そして初恋繋一郎が向かった東京へMIWAも向かう。音楽学校に入る為に。

駅に迎えに来ている初恋繋一郎の腕には婚約者がぶらさがっていた。
「ここは長崎じゃないのよ。男同士は恋人同士とはいわない。その字は恋じゃない。変よ。東京では隠れていたほうがいいわよ。」

こういう時に限って心の中に安藤牛乳はいない。

野田地図「MIWA」2013年10月_b0048834_12591947.jpg



倫巴里。銀座にあるシャンソンの殿堂。MIWA(と安藤牛乳)は負け女(青木さやか)と連れ立ってオーディションを受けに行く。結果はMIWAだけ採用。倫巴里のオーナー、半・陰陽(池田成志)がMIWAの歌声を聞いてついに見つけた、と興奮している。
MIWAは倫巴里のスターとなり、常連の心を掴んだ。オスカワアイドルはMIWAの信棒者となり、店に通い詰めた。ここのシャンソン歌手はエリートばかりなんだからすごいよ、とギャルソン(浦井健治)は言った。

半・陰陽はこの店をMIWAに任せたい、という。自分は映画を撮りたいからと。主演は赤絃繋一郎(瑛太)。MIWAはまた繋一郎と恋に落ちていく。

倫巴里にギャルソンの家族が押し掛ける。
「この子は子供のころから四葉のクローバーなんかを集めて気色が悪かった」
「僕、気色が悪かったですか?」
「ずっとね」
首を吊るギャルソン。
ギャルソンの母親に激高する安藤牛乳。おまえの言葉が子供を殺したと叫んでいる。MIWAの中の安藤牛乳が暴れだす。やめろとMIWAが制しても安藤牛乳は怒りを止めない。

MIWAと赤絃繋一郎は深い仲になっていく。赤絃繋一郎は映画スターで、寝る間もないくらい忙しいけれどMIWAとの時間は作る。MIWAとの逢瀬が彼の安らぎだった。
でもその仲も引き裂かれることになる。赤絃繋一郎の妹がMIWAとの仲に嫉妬したのだ。兄妹の恋と男同士の恋。禁断の恋同志が一人の男を取り合う。MIWAは繋一郎をあきらめた。これでいいのよ、と。

ラジオが聞こえる。そのラジオは赤絃繋一郎が事故で死んだことを告げた。
歌えなくなるMIWA。
MIWAの楽屋を訪ねるオスカワアイドル。海の底へ潜れば失くした宝は見つかるという。

海の底へもぐると安藤牛乳がいた。
「どうしたの」
「なにが」
「もどってきた」
「臣吾、世話になったね。ありがたかったばい。このCDもらっていくね」

海からあがり、ヨイトマケの唄を歌うMIWA。一度海に沈んだMIWAは海面にあがり、歌い、また喝采を浴びるようになる。楽屋を訪れるMISHIMA(野田秀樹)

「歌声が戻りましたね」
「おかげさまで、オスカワさん」
「いえ、僕は三島由紀夫と言います。今まで僕の体に住んでいたアンドロギュヌスがお世話になりました」
「あなたのアンドロギュヌス?」
「オスカワアイドルは僕の中の化け物だったのです。でも、さようならを言いに来ました。」
「あなたのアンドロギュヌス、どこに行ったんです?」
「これから市ヶ谷の方に」

MISHIMAは自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺をした。

倫巴里。倫巴里は閉じることとなった。
「倫巴里の役目は終わったから」というありきたりの答えを用意してたんだけどね。じゃね。と半・陰陽が挨拶する。
楽屋で支度をするMIWA。
青年刑事(小出恵介)が安藤牛乳屋の倅を見つけた。路上で死んでいたので、亡骸を引き取ってください、とMIWAに告げにきた。
「安藤牛乳は誰を殺めたの」
「母親だ。男を愛していることをなじられたのさ」

倫巴里で歌う最後の時。
愛するものが目の前でどんどん死んでいく。もう立ち上がれない、と言うMIWA。
そこに負け女が出番の時間だと告げに来る。
「美輪さんて。生きていてつらいことなんてなかったでしょう?」
「あるわけないでしょう。」

舞台に向かうMIWA。
愛の賛歌。
喝采。
幕が開く。

野田地図「MIWA」2013年10月_b0048834_10373554.jpg

いつも野田地図の芝居は「こここ、この舞台は理解出来るんだろうか」と不安になりながら見ているですが、今回の野田地図はとても分かりやすい芝居でした。美輪さんの出生から美輪明宏になるまでが時系列を追った作りになっていたからかもしれません。パンフレットには出鱈目な物語とあったけれど、それほど出鱈目でもなかったし。

配役はMIWAの宮沢りえさんと安藤牛乳の古田新太さん以外は皆、複数の役についています。場所と時間を変えながら、名前と肉体を変えながら同じ魂が何度も蘇る。美輪さんがご自身を天草四郎の生まれ変わりと公言されているからこのような設定になったのでしょうか。この全体を覆う輪廻転生の世界観は色鮮やかな幻のようでありました。

宮沢りえさんは美しかったです。人の心を惑わせるまでの美しさを持つMIWAはりえちゃんにぴったりの役。りえちゃん自身が類まれな美貌だしね。がしかし、同じ肉体に宿るもう一人の魂、アンドロギュヌスの古田新太がすごかった。しょっぱな登場から古田さん、金髪で奇抜な衣装の今の美輪さんそのものなのです。もう、それだけで面白いわけです。その上、声がいいし、動きもピシッと決まる。お酒飲み過ぎていかにも不摂生そうな顔してんのに、かっこいいとはお世辞にも言えないのに、なんだかとてもやたら目立つ。それで、どうしても古田新太を目で追ってしまう。オーラというかパワーというか、なんかそのようなよく分からない見えない何かが古田さんにはあるんだよね。りえちゃんの演技、貫録もあって大女優の風格もあって、本当によかったのに、古田さんなんだよな・・・。

オスカワアイドルというアンドロギュヌスを同じ肉体に宿している三島由紀夫は野田秀樹さん。変な額縁さげて登場していかにも変人なのだが、MIWAを精神的に支える著名な作家、という役どころ。三島さんと美輪さんの交友については美輪さんご自身がいろいろなところで語られているし、これはきっとそのままの話なんだろうな。三島さんは美輪さんの歌と、容姿と、美輪さんご自身をきっと深く愛していたのだろう。
昔、某女優のご母堂と食事をしたことがある。その方は昔市ヶ谷に住んでいて、三島さんの生家のわりと近所だったそうだ。夏の旅行もいつも同じ時期に同じ伊豆の今井浜東急。三島さんは早朝からホテルの敷地で剣道の竹刀を振っていて「なんで平岡さんとこのぼっちゃんは剣道やってるのかしらね。海に来たんなら泳げばいいのに。」と噂の的となっていたそうだ。その頃の三島さんはなまっちろくてひょろひょろしていて、折れそうな子供だったらしい。自分の中のアンドロギュヌスを飼い慣らせなかったオスカワアイドルは市ヶ谷で割腹自殺をしてしまった。三島由紀夫に美輪明宏のような天性の美貌が備わっていたとしたら、運命は変わっていたのだろうか。

倫巴里の経営者、半・陰陽の池田成志さんもよかったなー。怪しいおっさんまるだしで(ほめてます)今回の芝居は池田さん然り古田さん然り、熟練したおっさん俳優の力技がすごかったです。若手もみな、頑張っていたし、よかったのだが、おっさん俳優がなにしろよかった。これぞ舞台の面白さだよねえ、ルックスじゃないところが(ほめてます)

がしかし、この私の感想は舞台半分より後ろで観た人間だからこそらしい。メタルビーズ教室でなんと一番前の席で観劇された方がいらして、その方曰く「りえちゃんは顔が崩れない。ずっときれいなままで嘘みたいだった。古田さんは…汗が・・・・。顔がどんどん・・・・・」とのこと。舞台は見る席でだいぶ印象が違うみたいですねー。

そんな訳でMIWA、良かったです。さすが野田さん。次回作は2015年なんですね。2014年は野田地図見られないのかあ。嗚呼。次回作、首を長くしてお待ちしております。
by mareemonte | 2014-01-13 16:21 | 劇やら映画やら
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