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メタルビーズ教室 
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メタルビーズ教室

・横浜教室
平日行っております。
ご希望の方は
hayatayuko@gmail.com
へご連絡頂ければと思います。
詳細をご連絡致します。

メタルビーズ教室は分教室は一切ございません。





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三谷幸喜脚本 国民の映画 マチネ PARCO劇場
三谷幸喜脚本 国民の映画 マチネ PARCO劇場_b0048834_15162670.jpg


2月22日 マチネ 渋谷PARCO劇場

まさかのY列!(前から2列目です)ご一緒してくださった方がとってくださいました。こ、こんなよい席で見られるなんて。どうも有難うございました。

小日向文世 ヨゼフ・ゲッべルス
段田安則 ハインリヒ・ヒムラー 
渡辺徹 ヘルマン・ゲーリング 
吉田羊 マグダ・ゲッべルス
シルビア・グラブ ツァラ・レアンダー
新妻聖子 レニー・リーフェンシュタール
今井朋彦 エーリヒ・ケストナー
小林隆 ゲッべルス家執事 フリッツ
平岳大 グスタフ・フレーリヒ
秋元才加 エルザ・フェーゼンマイヤー
小林勝也 グスタフ・グリュンドゲンス
風間杜夫 エミール・ヤニングス
三谷幸喜脚本 国民の映画 マチネ PARCO劇場_b0048834_15164518.jpg


チャップリンの映画を楽しそうに見ているヨゼフ・ゲッベルス(小日向文世)。執事のフリッツ(小林隆)が映写機をまわしている。見終わった後、チャップリンの映画をフリッツと語らうゲッペルス。フリッツは映画に造詣が深い。
二階から頭が痛い、とガウン姿のままでマグダ(吉田羊)が降りてきた。早く着替えろ、今日はパーティーだと命令するゲッベルス。私はパーティーに出ない、と突っぱねるマグダ。この二人は世間では理想の夫婦と呼ばれている。

ゲッペルズはフリッツにマグダへ今日のパーティーリストを告げるように言う。そこにはケストナー(今井朋彦)の名前も連なっていた。マグダは顔色を変える。ケストナーはマグダの憧れの作家。もしくはそれ以上。現在のケストナーは現政府に批判的で、故、ケストナーの書物はゲッベルズの手によって焚書され、本を出版することが出来ない。そのケストナーが今日のパーティーに来るのだと。作家としては非常に優秀だから、とゲッベルズは不敵な笑みを浮かべる。マグダは胸の高鳴りを抑えられない。

招からざるヒムラー長官(段田安則)が館をうろついている。ヒムラーは警察のトップである。何を探っているんだ、とヒムラーの動向を鬱陶しく思うゲッペルズ。映画のことなんか何もしらない、チャップリンすら知らないというのに。

ゲッペルスが2階にいって着替える間にヒムラーはフリッツに探りを入れる。大臣はこの頃映画に夢中だ。何を考えているのかと。
フリッツはご本人でお聞きになればよろしいのでは、とヒムラーに答える。
「大事な事は本人に聞かないというのがポリシーだ」
ヒムラーはそう言ってフリッツの用意したぬるめの牛乳に口をつける。

三谷幸喜脚本 国民の映画 マチネ PARCO劇場_b0048834_15165993.jpg




館に一番の客が着く。
ツァラ・レアンダー(シルビア・グラブ)である。ツァラはスェーデン出身の女優で、歌もたいそう上手い。思慮深くはないが、華やかで明るい。自分が一番に到着したことを憤慨して出直す、とまた出ていってしまった。主役は最後に登場するものでしょ、と。

「声がしたようだけど」
とマクダが2階から降りてくる。マグダはまだ着替えていない。
「そういえば、奥さん。」
とヒムラーがマグダに話しかける。
春にマグダは害虫のことで悩んでいたようだから、害虫駆除の仕方を教える、と言い出す。ヒムラーはこの仕事につく前は薬品会社の研究室にいた。春先に葉につく虫は冬のうちに駆除するのがいいのだ、と。

ヒムラーは何をさぐっているんだろう、二人きりになるな。とフリッツに言うゲッペルズ。



客が来る。

監督兼俳優のエミール・ヤニングス(風間杜夫)だ。マグダ曰く、ゲッベルズの腰巾着の。
ヤニングスの映画仲間が国家へ反逆し、死んだ。その人間の墓参りをした人間がヤニングスの周辺の映画関係者にいる。収容所送りだ、と息巻くゲッペルズ。必死に庇うヤニングス。強硬に処分しようとするゲッペルズにフランツがその政府に於ける危険分子達がどれだけ映画界にとって優秀な人材かを説明する。フランツの言葉を聞き、収容所送りは免れたな、と言うゲッペルズ。ヤニングスとフリッツはほっとする。
収容所の話しは終わり、ヤニングスがゲッペルズに映画の企画の話しを持ち込む。ビスマルクの映画。


次の客は当代きっての色男、グスタフ・フレーリヒ(平岳大)と新人女優のエルザ・フェーゼンマイヤー(秋元才加)だ。
エルザはゲッベルズの好みそのもので、エルザを見るなりゲッベルズは彼女に好意をあからさまに示す。エルザもチャンスを掴もうとゲッペルズに取り入ろうとする。


ツァラが再度登場。主役は最後に来るものでしょ、と登場するが、まだ客は続くらしい。憤慨したが、ゲッペルズとエルザのただならない雰囲気に興味を示し、面白そうに観察している。
「あの子はゲッペルズのお気に入りね」
とヤニングスと噂し、庭から戻ってきたマグダに
「あの若い子、お宅の旦那とどうにかなりそうよ」
と告げ口する。
「わかっているわよ、そんな事。」
マグダは全く動じない。いつもの事だもの、そんなの。
「あんたが一番女優なのよねえ!」
ツァラがマグダに感嘆する。

ヒムラーは、害虫駆除の任務を遂げ、庭から戻ってきた。害虫を処分しようとするフリッツに「虫にだって命があるんだ。いたずらに苦しめないように。」という。フリッツは虫は森に逃がす、と言う。納得するヒムラー。

三谷幸喜脚本 国民の映画 マチネ PARCO劇場_b0048834_15171394.jpg


客が来る。
レニ・リーフェンシュタール。(新妻聖子)
ベルリンオリンピックの記録映画「オリンピア」や「意志の勝利」を撮った女流映画監督だ。現在のドイツでは一番有名な監督とされている。
レニは生意気で傲慢な女だ。ツァラやヤニングスには冷たい態度をとるが、ヒムラーやゲッペルズの前では態度を豹変させる。
権力にとりいって仕事をもらうタイプだからな、とヤニングスに陰口をたたかれる。ゲッペルスはレニにエルザを新しい映画で使ってくれ、と言う。言葉を濁すレニであったが、最終的にゲッペルスの意見を取り入れ、そのやりとりをヤニングスに激しく揶揄される。


客が続く。

グスタフ・グリュンドゲンス。(小林勝也)国を代表する名俳優。エルザがあなたの映画はほとんど見ています、と挨拶する。例えば?とエルザに返すグスタフ。見え透いた嘘は身を滅ぼすよ、とエルザを笑うグスタフ。グスタフはいちちわざと嫌味を言う。でもその嫌味は全て核心をついているのだ。

エーリッヒ・ケストナー登場。(今井朋彦)
何で呼ばれたのかわからないけれど、食べ物につられて電車できたという。
タキシードももってない。危険分子のケストナーです、と自己紹介する。マグダが緊張して挨拶するが「初めまして」と言われてしまう。落胆するマグダ。

ツァラに言われて占いをするヒムラー。
「今日招かれざる客がくる。ここの主人が会いたくない人。そしてここで発砲がある。」

皆が揃ったところでゲッペルズが食事の前にスピーチをする。
自分は映画をどれほど好きかということ。この館も風と共に去りぬの階段に似ていたから買ったのだということ。映画は総合芸術だと思っていること。映画こそが芸術の最高峰だと思っているlこと。

そこへタンホイザーの入場行進曲を大きな声で歌いながらゲッペルズの嫌いな男が登場する。彼こそが招かれざる客、ゲーリングだった。(渡辺徹)苦虫を噛み潰したような顔でゲーリングを見るゲッペルズ。あなたを招いた覚えはないときっぱりというが、グスタフの様子を見に来た、と言い、食事をして行くという。

とここで一幕が終了。
二幕ではこの館にこの面子が呼ばれた理由と計画、その計画が頓挫していく過程が描かれていきます。ある者は権力に擦り寄り、ある者は自分の信念を曲げず、ある者はもう見ぬふりは出来ない、といい、ある者はそれでもユダヤ人をヒトではなく、道具として見続けた。

収容所が出来る前はガス室は移動式のトラックで一度に10人しか生物的処理が出来なかったのが、収容所が出来れば1日24時間フル稼働すれば9万人を処理出来る、とユダヤ人の執事の前で話しをするヒムラーとゲッッペルズ。何のためらいもない二人に「狂っている」と背を向ける映画人達。

ナチスがやったことは非情で身の毛もよだつ事だけれど、あのような政策が生まれたのは、ただある日突然という事でもないのかなあと思います。イギリスやフランスが植民地政策を行わなければ、第一次世界大戦でフランスがドイツに莫大な戦争賠償金を求めなければ、いろんな要因が重なって、重なって、歪みが歪みを産んで、ナチスが誕生したのではないかと。もちろんナチスの政策はあまりにも酷いけれど、いやいや、イギリスもフランスも相当でしたよね?と思わなくもないんだよなあ・・・。植民地政策とかどうかと思うよ、ほんとに。とにかく何というか、自分の快楽の為に他人を平気で犠牲にすると必ず歪みが生じて、その歪みは想像以上に膨らみ、爆発してしまうんじゃないかと。そんな風に思ったのでした。

しかしな。
私の通っていた学校では近現代史をすっとばしたんですよね。
明治維新で日本史終了。だから中華人民共和国と中華民国の区別とか、ハルノートとか、ヴェルサイユ条約とか大人になってから知ったのですよ。これってどうしてだったんだろう?あんなに前方後円墳とか、寝殿造りとかはるか悠久の彼方の歴史に時間をかけるより近現代史をやったほうがはるかによかったと思うんだよね。でもどのセンセイも明治維新で終わってしまったようだし、それが学校の方針だったのか、当時の文部省の方針だったのかは今となってはわかりませんが、近現代史に触れずに日本史終了するって、これもある意味全体主義だよねー。知らされていないから議論も起こらない。感想も持たない。だから朝日新聞の問題とか河野談話とか出たんだろうねー。


でもって役者は皆さんがとてもよかった。
小日向さん、段田さん、風間さんは本当にうまいー。なんであんなにうまいんだろう?役者の上手い下手ってなんですかね?あとシルビアさんがとても素敵でした。

三谷さんの作品の中ではもしかしたらダントツで好きかも。
もし再演したらまた絶対に見に行きます。
by mareemonte | 2014-10-17 13:45 | 劇やら映画やら
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