インスタグラム mareemonte3 メタルビーズ教室 ・横浜教室 平日行っております。 ご希望の方は hayatayuko@gmail.com へご連絡頂ければと思います。 詳細をご連絡致します。 メタルビーズ教室は分教室は一切ございません。 ご質問等は mareemonte@excite. co.jpまで。内容によってお答え出来ないこともありますのでご了承下さい 【ウーマンエキサイト】ゴールドブロガーに選んで頂きました。 ・メディア 2008年 STORY 2009年 女性自身 カテゴリ
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港島香格里拉大酒店の車寄せにシャンパンゴールドのロールスロイスは到着した。 運転手が恭しくドアを開ける。私達は乗り込み、今日の仕事場へ向かった。細くて曲がりくねる道をシャンパンゴールドのロールスロイスは山肌にはりつくように華麗に道を駆る。太い植物の蔓が何度も大きな音を立てて車の窓に当たる。 「ひゃっ。」 窓側に座った私はいちいち驚くが、コーディネーターはさも当たり前といった風でひっきりなしにさっきから携帯電話で誰かと喋っていた。 コーディネーターの電話が終わったところで私は話しかけた。 「あの、この車の色って珍しいですよね。」 「そうですね。この色は世界でも何台もないはずでしたよ、確か。」 「やはりそうですか。香港はよくロールスロイスが走っているのを見ますが、この色は初めて見ました。」 「ペニュンシュラホテルやリージェントホテルで所有しているロールスは白や黒ですからね。」 「こんな車を迎えに使うなんて、今日の人って相当すごい人なんですね?」 「そうです。相当。」 中環側の山の手を随分走った所にまっすぐに立ちそびえる建物がある。今日向かっているのはそこだった。 「こんなロールスロイスを持っている人でもマンションなんですか?」 「香港は強盗がよく入るから一軒家は危険なんですよ。財産の多い人はセキュリティーの完全なマンションに住む事が殆どです。たまに一軒家に住む人もいますがね。マカオのカジノ王とか。」 「こんにちは、マダム。何か御用ですか?」 マンションの入り口で燕尾服をきたバトラーが私達に話しかけてきた。美しいクイーンズイングリッシュ。コーディネーターが広東語でやりとりを始める。先程まで優雅で気取った風情だったバトラーは広東語を喋りだすと途端に声が大きくなり、声質も変わり、あけすけな印象となった。何故人は母国語を喋りだすと途端にほっとした顔になるのだろう。 「このマンションってインターホンとかないんですか?」 「ないです。全部バトラーが連絡をとって、大丈夫な人間だけが中に入れます。」 「宅配便とかどうするんでしょう?」 私の一般庶民的質問にコーディネーターが笑いながら質問に答えてくれた。 「メイドがここまで取りにくるんですよ」 まもなく許可がおり、私達はマンション内へ入ることになった。黒い大理石で床も壁も全て出来ている。ピカピカに磨きあげられた大理石は鏡のように光っており、顔さえも映るようだった。その豪華絢爛なホテルのようなロビーを通り、蓮の浮かぶ池のある中庭を抜け、エレベーターに乗り部屋へ向かった。 エレベーターから降りると扉は一つ。つまり1フロアまるまる家だということ。 呼び鈴を鳴らす。 インタホン越しに女性の声が聞こえた。 少し待つとメイドが扉をあけにきた。唐草模様の施された重い鉄の扉。二重になった鍵を開けるとその奥にマホガニー色の厚みのある扉がある。これが部屋に入れる直接の扉だ。 「ドア、二枚なんですね。しかも表のドア、鉄格子ですよね?用途的に」 「そうです。香港は強盗が本当に多いから」 「バトラーが表にいたのに?」 「そうです。でもここまでしても盗られるときは盗られるんですよ。壁をつたって窓を破ったりしてね。」 「窓って、ここ高層マンションじゃないですか。」 「そうなんですけどね。でも以前こんな高級マンションの最上階で窓からの強盗がありましたよ。家具も根こそぎやられたんです。」 「初めまして、こんにちは。ようこそいらっしゃいました。」 扉が開くとすぐに鈴を転がしたような張りのある声が出迎えてくれた。 今日の主人公だ。
by mareemonte
| 2007-01-14 22:01
| 話
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