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野田地図「Q」東京芸術劇場
野田地図「Q」東京芸術劇場_b0048834_08493646.jpeg
野田地図「Q」観劇。松たか子、上川隆也、広瀬すず、志尊淳、橋本さとし、小松和重、伊勢佳世、羽野晶紀、野田秀樹、竹中直人。
主役は松たか子。それからの愁里愛(ジュリエ)が役名です。それからの愁里愛は源氏の人間。それからの瑯壬生(ロミオ)は上川隆也。瑯壬生は平氏の人間。
広瀬すずこと源愁里愛(みなもとのじゅりえ)は、親か殺され、従兄の源義仲(橋本さとし)に育てられている。
源愁里愛の乳母は源の乳母(ウーバー)。ウーバーなので呼んだら来るものかと思いきや、呼びもしないのに来ます。なぜなら乳母だから。源の乳母は野田秀樹さん。世界一乳母が似合うと思った。野田さんのオババ役は真骨頂。
禁欲的な源家と快楽的で耽美的な平家は反目しあう間柄。平家の大将は平清盛(竹中直人)。
羽野晶紀は源の生母になったり、ロミオの母になったり、尼になったり3役。
源氏と平氏の二重スパイをする巴(伊勢佳世)は源義仲と恋仲で、いずれ結婚したいと思っている。
平清盛は欲を成せ、財を成せ、名を成せを座右の銘にしていて、「平氏にあらざれば人にあらず」なんつった台詞も飛び出しちゃうくらい栄華を極め、放蕩した生活を送っている。しかし何で権力を掴んだ人間はこのように傲慢になるのでしょうか。「この世をば我が世と思ふ望月の欠けたることもなしと思へば」とか詠んじゃう人も10世紀にいましたね。
閑話休題。で、その息子が志尊淳で瑯壬生(ロミオ)です。ある日瑯壬生が愁里愛を見て一目惚れしてしまう。そして惹かれあうロミオとジュリエ。しかし2人は敵対する家同士。許される筈のない恋である。
そして愁里愛は言う。ああロミオ、あなたはなぜロミオなの。あなたの名前をお捨てください。

ロミオは悩む。ジュリエの為に名前を捨てられるのか。
舞台は洛中へ。源義仲とロミオが道で会う。義仲と近づきになりたいロミオだったが、友人の平の水銀が刀を抜いてしまう。斬りつける源義仲。散る水銀。怒りの炎を立たせたロミオは義仲の首を取る。

平清盛はもはや法皇よりも権力があるが、法皇のいう通り、ロミオを都から追放することとする。義仲を殺された巴はロミオを地獄の果てまでも追い義仲の弔いをすることを誓うのだった。

追放される前にジュリエに会いにきたロミオ。ジュリエと一夜を共にした後、朝のヒバリの鳴く前にその場を去るのだった。

走り出すジュリエは法皇の庵へ。どうしたら愛するロミオと一緒にいられるかを相談する。法皇は言う。死んだ真似をしろと。毒を飲んで死体のように振る舞うのです。しかしあなたは生きている…ロミオと逃げるのです。
ジュリエは毒をあおり、仮死状態になる。手紙でロミオにその企みを知らせるが、手紙は届かなかった。ロミオはジュリエと同じように毒をあおり、一緒に死のうとするが、2人は死ななかったのだ。

一幕終。一幕はシェイクスピアのロミオとジュリエットが下地になっていて、そこに源義仲と巴御前の話と平清盛の話が組み込まれています。
野田地図「Q」東京芸術劇場_b0048834_08505127.jpg


二幕は清盛が源頼朝を討てという言葉を残し死んでからの世界。安徳天皇が海に沈み、源頼朝が征夷大将軍になり、平氏の残党は馬車に乗る。距離にすれば千里。時間にすれば千年。連れていかれた土地はすべりの。いや、すべりや。シベリアだった。
シベリアで労働を強制される元兵士。基、元平氏。与えられる黒パン120グラム。マイナス三十五度、風速5メートル。黒パン80グラム。有刺鉄線、雪嵐、黒パン40グラム。家族へ書いた手紙は届かない。死んだ身体を最後に身送ったのはシラミだった。

頼朝が死に、恩赦が出た。シベリアから帰れる。名前を呼ばれた者だけが船に乗れる。名もなき平氏、名もなき兵士のロミオは名前を呼ばれなかった。

題名のQは、これは言わずもがなQueenのQ。今回の舞台は、Queenから音楽を使っていいという事で実現出来た舞台なのだそうです。どのようにも使って良かったらしく、ドラムだけ抜いたり、ギターだけ使うのもOK。クイーンから全面的にこの舞台への信頼を感じますが、なんでこんなに野田さんはクイーンから信頼されているのだろう?
そしてQのサブタイトルは ANightAtTheKabuki 。これはクイーンのアルバムオペラ座の夜のオマージュかと思われます。日本語に訳すと歌舞伎座の夜。
源義仲(木曽義仲)と巴御前の話は平家物語の木曽最期のエピソード。平清盛から源頼朝の挙兵の辺りがエピソードになっているのは源平盛衰記かなと推測。
14世紀のイタリアの話と12世紀の日本の話しと20世紀の戦争の話が融合された物語は非常に分かりやすく、スムーズで、それが怖くもありました。この話しが分かりやすいということは、1000年前から権力を持つ者の傲岸と権力を持たざる者の悲しみは変わらないという事と同義だからです。
今回のこの舞台は、香港の内戦(と呼んでもいいと思う)や、日本の桜を見る会とか、ベネッセ問題(私は個人的には桜を見る会も相当アレだが、ベネッセ問題が深刻だと思う。ベネッセ問題はこのまま突き進むと、日本の教育は崩壊すると確信しています。あれはまずい。)が風景として重なってしまい、かなり辛い気持ちになりました。特に二幕。権力のある太った人間を痩せ細った人間の労働で支える姿は舞台とはえいども辛かった。

野田地図「Q」東京芸術劇場_b0048834_08514323.jpg


広瀬すずはテレビで見るより実力者。不吉に美しかった。身体能力も非常に高く、特に毒をあおり仮死状態になる辺りの身体の動きは鍛錬の賜物。今回初舞台だそうですが、素晴らしい舞台女優になるでありませう。志尊淳さんもテレビで見るより良かった。テレビだとナヨナヨして見えるけど(私が見る時はいつもそういう役)舞台上では身のこなしの軽い、声のいい、将来を嘱望される俳優である事は間違いない感じ。
松たか子さんと上川隆也さんは安定して素晴らしい。竹中直人さん、羽野晶紀さん、小松和重さん、伊勢佳世さんも持ち味が滴るように出ていて、役者は全て揃っていた。
野田地図の衣装はいつも素敵だけど、今回特に好きだった。衣装はひびのこずえさん。平清盛から源頼朝の辺りの12世紀の雰囲気を纏いながらも現代の戦争のイメージも重ねられる衣装。

「ザキャラクター」「南へ」「MIWA」「足跡姫」「エッグ」「逆鱗」、そして今回観た「Q」。「戦争とは」というテーマがどの作品にも存在します。

今、野田さんは60代。実際は戦争を直接体験していない世代ですが、野田さんの親世代は戦争の渦中にいた世代実際に戦争に行った人を見てきた世代は、野田作品は戦争が主題の一つとして通底している事を感じられるけど、下の世代に行けば行くほど、分からないんじゃないかと思う。だって、身近じゃないから。だから野田さんは嫌がるだろうけど、解説は必要なんじゃなかろうか。と思い、詳しい感想文を書いてみました。


ところで、2022年度から国語教育が変わります。文学が省かれ、実用的な国語に舵が切られるとのこと。

高2以降は「論理国語」「文学国語」「古典探究」「国語表現」から2つ選択となるそうです。そうすると、文学にまるで触れない人が出てくるのよね。論理国語を学んだからといって、論理的な思考は出来ますかね?論理的な思考は、数学からの方が学べる気がするし、何しろ文学が抜け落ちる事で、今でも読まれなくなっている近現代の文学にまるっきり触れない人が出てくるという事になります。
舞台文化は、歌舞伎なんかもそうだけど、文学の要素がふんだんで、文学の教養があると尚更楽しく観れるもの。高校生の時に退屈に感じていた授業がある日突然、目の前の舞台と繋がる事もあるのです。読むもの、減らさないで欲しいなあ。

by mareemonte | 2019-11-29 07:48 | 劇やら映画やら | Trackback | Comments(0)
野田地図「MIWA」2013年10月
野田地図「MIWA」2013年10月_b0048834_9481083.jpg


1992年4月号のJJで野田さんと美輪さんの対談があった。野田さんは美輪さんと同じ格好をしての対談だった。あまりのビジュアルの衝撃に今でもそのページの二人の写真は覚えている。その対談は連載で、いつも野田さんは女装をしていて、いつも、誰に対しても面白くてシニカルで辛辣な事ばかり言っていてた。牧瀬里穂さんとか出てたと記憶している。当時の私は演劇に全く興味がなく、「なんでこの人、こんな恰好で面白くてきつくて酷いことばっか言ってるんだろう」と思いながら読んでいた。(読み物としては面白かったから。)ただ、美輪さんの時の対談は違った。どんな対談だったかよく覚えていないけれど、いつもの辛辣さはなくて、美輪さんに対しての尊敬が全面に出ていた。それが印象的だった。あの記事読みたいな。当時の私にそのJJ、捨てずにとっておきな、と言ってやりたい。

2014年1月13日追記 JJの野田さんのページ担当だった方から野田さんの1992年4月の記事を送って頂きました。本当に有難うございます!!!!!
「野田秀樹ミーハーの殿堂」という連載。そうだった、そうだったよ!懐かしい!

ミーハーの御誓文
1ミーハーの基本は、おばさん
2ミーハーはユーメーなものが好き
3好きだからこそ、ちょっといぢわる
4「ほんとのとこはどーなの?」が口癖
5家庭の話をしたがる
をコンセプトに野田さんがゲストと喋りまくるというものでした。おばちゃんの目線でのインタビューだから女装だったんだね。今、気が付いた。しかし改めて読むと本当にひどいことばっかり言ってるなー(笑)野田さんも酷いけど、美輪さんが酷い!(爆笑)今は皆に尊敬されて聖人君子みたいな印象だけれど。とても酷いのでここに書くのは自粛します(爆)そして何が驚くって20年以上前の記事なのに美輪さん、変わらない。外見が変わらない―。野田さんはものすごく若い。めちゃめちゃ若い。20年前のJJって前半は女子大生向けのファッション誌だったけど、後半の読み物記事ははっちゃけたものが沢山あったんですよね。宇宙飛行士の向井千秋さん(当時)の恐ろしいほどぶっちゃけたインタビューとか。すんごく面白かったんだよなー。

野田地図「MIWA」2013年10月_b0048834_9482477.jpg

2013年 10月12日ソワレ 東京芸術劇場

MIWA                                     宮沢りえ
赤絃 繋一郎(幼恋繋一郎、初恋繋一郎)               瑛太
マリア (継マリア、 継々マリア、赤絃まりあ、松葉杖の少女)   井上真央
最初の審判(通訳、ジュルルデ・ツーヤク、青年刑事)        小出恵介
ボーイ (ボーイ転じて先生、ギャルソン)                浦井健治
負け女(女給、チャチャチャ・マンボ)                   青木さやか
半・陰陽(父、日影陰気、日向陽気)                  池田成志
オスカワアイドル(MISHIMA)                      野田秀樹
安藤牛乳                                   古田新太

雲の上では明日地上に生れ落ちる命達が行列している。最初の審判(小出慶介)が踏み絵をさせている。男性器の踏み絵を踏めたら女。踏めなかったら男。男でもなく女でもないMIWA(宮沢りえ)が迷いながら自分の順番を待っている。女にしか見えない外見。でも踏み絵は、踏めない。踏み絵に躊躇していると、最初の審判に「お前のような化け物は世の中に生まれ降りてはいけない」と言われる。地上に降りてみたいMIWA。
そこへ別の化け物が鉄砲玉みたいに走りこんできた。勢いよくMIWAの手を絡めとり、二人は地へ落ちていく。MIWAの手をとったのはアンドロギュヌス(古田新太)。
アンドロギュヌスは男でもあり、女でもある。小さいMIWAはアンドロギュヌスと発音できない。安藤牛乳、と言い間違え、アンドロギュヌスは安藤牛乳と呼ばれるようになる。


地上。
長崎。
ポルトガル、ロシア、オランダ、イギリス、朝鮮、中国、さまざまな国の人々がそれぞれの容姿で、それぞれの暮らしを営んでいた。海を越えて渡ってくる食べ物、映画、音楽。カラフルな色で彩られた街。色をたっぷり含んだ街。長崎は色気のある街だった。そこに一人の赤ん坊がマリア(井上真央)の体を通してやってくる。男でもなく女でもないMIWAの魂と、男でもあり女でもあるアンドロギュヌスの魂は玉のように美しい肉に一緒に宿った。赤ん坊は男の子で、臣吾と名付けられた。ボーイ(浦井健治)や女給(青木さやか)が赤ん坊を見てあやしている。

MIWAは自宅で経営しているカフェや料亭、近所の女郎屋で男女の色恋、裏切り、別離などを間近に見ながら、映画を見て、音楽を聴いて、美術骨董屋で美しい某かを眺め、育っていった。母は二人目。MIWAを宿したマリアは早々と死に、継マリア(井上真央)に可愛がられてMIWAは成長する。

やがて戦争が始まる。
劇場にかかる演目が変わった。ボーイは白と黒の箱の中に納まってしまった。
MIWAは毎日背中に防空頭巾を背負い、絵を描いている。
美しく育ったMIWAは疎開で長崎に来ていた幼恋繋一郎(瑛太)に恋をした。

その日も絵を描いていた。
窓の外が光った。
こんないい天気の日に、と思うやいなや轟く爆音と地響き。たちこめる煙、爆風、空襲警報。涙、叫び、血、火ぶくれし、ずるむける皮膚、地面に落ちる肉塊、骨。郵便配達夫、医者、学生、主婦、子供、工員、街中に死の灰が降る。ボーイ転じて先生が生き残った人間の点呼をとる。幼恋繋一郎は呼んでも返事をしない。


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アメリカ人記者と通訳(小出恵介)にその日、その時間何が起こったかを聞かせるMIWA。
「この爆弾は天罰だ。この原爆のおかげで、戦争が終わった。今、この同じ時間にアメリカではパーティーが始まっている。原爆を投下し帰還した少佐が報告する。将軍が「それでこのパーティーに遅刻したんだな」と言う。会場は笑いに包まれる。」
アメリカ人記者の言葉を通訳がMIWAに伝える。
「その口からどんな言葉が出てるか、わかってる?」
通訳に尋ねるMIWA。
「自分は通訳しているだけだから」答える通訳。

帰ろうとするアメリカ人記者と通訳に
「僕はあの時十歳だった。僕の話はまだ終わらないんだ」
と立ちはだかるMIWA。16歳になっている。
「観客は一人いればいいだろう。もっと君の話が聞きたい」
MIWAに話をせがむオスカワアイドル(野田秀樹).
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焼野原で四葉のクローバーを探すMIWA。初恋繋一郎(瑛太)に渡すためだ。二人で映画に行く初恋繋一郎とMIWA(と安藤牛乳。)三人目の母、継々マリア(井上真央)は同性愛者のMIWAを疎んじて東京へうっちゃればいい、と言う。映画を見ながらうつむくMIWA。映画の中の愛は男と女だけのもの。男と男が愛し合ってはいけないのかと思い悩む。そして同じ肉に宿りながら沈黙を続けていた安藤牛乳が歌いだす。初恋繋一郎はその歌声を賛美する。
「君、絵より歌のほうがいいよ」
そして初恋繋一郎が向かった東京へMIWAも向かう。音楽学校に入る為に。

駅に迎えに来ている初恋繋一郎の腕には婚約者がぶらさがっていた。
「ここは長崎じゃないのよ。男同士は恋人同士とはいわない。その字は恋じゃない。変よ。東京では隠れていたほうがいいわよ。」

こういう時に限って心の中に安藤牛乳はいない。

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倫巴里。銀座にあるシャンソンの殿堂。MIWA(と安藤牛乳)は負け女(青木さやか)と連れ立ってオーディションを受けに行く。結果はMIWAだけ採用。倫巴里のオーナー、半・陰陽(池田成志)がMIWAの歌声を聞いてついに見つけた、と興奮している。
MIWAは倫巴里のスターとなり、常連の心を掴んだ。オスカワアイドルはMIWAの信棒者となり、店に通い詰めた。ここのシャンソン歌手はエリートばかりなんだからすごいよ、とギャルソン(浦井健治)は言った。

半・陰陽はこの店をMIWAに任せたい、という。自分は映画を撮りたいからと。主演は赤絃繋一郎(瑛太)。MIWAはまた繋一郎と恋に落ちていく。

倫巴里にギャルソンの家族が押し掛ける。
「この子は子供のころから四葉のクローバーなんかを集めて気色が悪かった」
「僕、気色が悪かったですか?」
「ずっとね」
首を吊るギャルソン。
ギャルソンの母親に激高する安藤牛乳。おまえの言葉が子供を殺したと叫んでいる。MIWAの中の安藤牛乳が暴れだす。やめろとMIWAが制しても安藤牛乳は怒りを止めない。

MIWAと赤絃繋一郎は深い仲になっていく。赤絃繋一郎は映画スターで、寝る間もないくらい忙しいけれどMIWAとの時間は作る。MIWAとの逢瀬が彼の安らぎだった。
でもその仲も引き裂かれることになる。赤絃繋一郎の妹がMIWAとの仲に嫉妬したのだ。兄妹の恋と男同士の恋。禁断の恋同志が一人の男を取り合う。MIWAは繋一郎をあきらめた。これでいいのよ、と。

ラジオが聞こえる。そのラジオは赤絃繋一郎が事故で死んだことを告げた。
歌えなくなるMIWA。
MIWAの楽屋を訪ねるオスカワアイドル。海の底へ潜れば失くした宝は見つかるという。

海の底へもぐると安藤牛乳がいた。
「どうしたの」
「なにが」
「もどってきた」
「臣吾、世話になったね。ありがたかったばい。このCDもらっていくね」

海からあがり、ヨイトマケの唄を歌うMIWA。一度海に沈んだMIWAは海面にあがり、歌い、また喝采を浴びるようになる。楽屋を訪れるMISHIMA(野田秀樹)

「歌声が戻りましたね」
「おかげさまで、オスカワさん」
「いえ、僕は三島由紀夫と言います。今まで僕の体に住んでいたアンドロギュヌスがお世話になりました」
「あなたのアンドロギュヌス?」
「オスカワアイドルは僕の中の化け物だったのです。でも、さようならを言いに来ました。」
「あなたのアンドロギュヌス、どこに行ったんです?」
「これから市ヶ谷の方に」

MISHIMAは自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺をした。

倫巴里。倫巴里は閉じることとなった。
「倫巴里の役目は終わったから」というありきたりの答えを用意してたんだけどね。じゃね。と半・陰陽が挨拶する。
楽屋で支度をするMIWA。
青年刑事(小出恵介)が安藤牛乳屋の倅を見つけた。路上で死んでいたので、亡骸を引き取ってください、とMIWAに告げにきた。
「安藤牛乳は誰を殺めたの」
「母親だ。男を愛していることをなじられたのさ」

倫巴里で歌う最後の時。
愛するものが目の前でどんどん死んでいく。もう立ち上がれない、と言うMIWA。
そこに負け女が出番の時間だと告げに来る。
「美輪さんて。生きていてつらいことなんてなかったでしょう?」
「あるわけないでしょう。」

舞台に向かうMIWA。
愛の賛歌。
喝采。
幕が開く。

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いつも野田地図の芝居は「こここ、この舞台は理解出来るんだろうか」と不安になりながら見ているですが、今回の野田地図はとても分かりやすい芝居でした。美輪さんの出生から美輪明宏になるまでが時系列を追った作りになっていたからかもしれません。パンフレットには出鱈目な物語とあったけれど、それほど出鱈目でもなかったし。

配役はMIWAの宮沢りえさんと安藤牛乳の古田新太さん以外は皆、複数の役についています。場所と時間を変えながら、名前と肉体を変えながら同じ魂が何度も蘇る。美輪さんがご自身を天草四郎の生まれ変わりと公言されているからこのような設定になったのでしょうか。この全体を覆う輪廻転生の世界観は色鮮やかな幻のようでありました。

宮沢りえさんは美しかったです。人の心を惑わせるまでの美しさを持つMIWAはりえちゃんにぴったりの役。りえちゃん自身が類まれな美貌だしね。がしかし、同じ肉体に宿るもう一人の魂、アンドロギュヌスの古田新太がすごかった。しょっぱな登場から古田さん、金髪で奇抜な衣装の今の美輪さんそのものなのです。もう、それだけで面白いわけです。その上、声がいいし、動きもピシッと決まる。お酒飲み過ぎていかにも不摂生そうな顔してんのに、かっこいいとはお世辞にも言えないのに、なんだかとてもやたら目立つ。それで、どうしても古田新太を目で追ってしまう。オーラというかパワーというか、なんかそのようなよく分からない見えない何かが古田さんにはあるんだよね。りえちゃんの演技、貫録もあって大女優の風格もあって、本当によかったのに、古田さんなんだよな・・・。

オスカワアイドルというアンドロギュヌスを同じ肉体に宿している三島由紀夫は野田秀樹さん。変な額縁さげて登場していかにも変人なのだが、MIWAを精神的に支える著名な作家、という役どころ。三島さんと美輪さんの交友については美輪さんご自身がいろいろなところで語られているし、これはきっとそのままの話なんだろうな。三島さんは美輪さんの歌と、容姿と、美輪さんご自身をきっと深く愛していたのだろう。
昔、某女優のご母堂と食事をしたことがある。その方は昔市ヶ谷に住んでいて、三島さんの生家のわりと近所だったそうだ。夏の旅行もいつも同じ時期に同じ伊豆の今井浜東急。三島さんは早朝からホテルの敷地で剣道の竹刀を振っていて「なんで平岡さんとこのぼっちゃんは剣道やってるのかしらね。海に来たんなら泳げばいいのに。」と噂の的となっていたそうだ。その頃の三島さんはなまっちろくてひょろひょろしていて、折れそうな子供だったらしい。自分の中のアンドロギュヌスを飼い慣らせなかったオスカワアイドルは市ヶ谷で割腹自殺をしてしまった。三島由紀夫に美輪明宏のような天性の美貌が備わっていたとしたら、運命は変わっていたのだろうか。

倫巴里の経営者、半・陰陽の池田成志さんもよかったなー。怪しいおっさんまるだしで(ほめてます)今回の芝居は池田さん然り古田さん然り、熟練したおっさん俳優の力技がすごかったです。若手もみな、頑張っていたし、よかったのだが、おっさん俳優がなにしろよかった。これぞ舞台の面白さだよねえ、ルックスじゃないところが(ほめてます)

がしかし、この私の感想は舞台半分より後ろで観た人間だからこそらしい。メタルビーズ教室でなんと一番前の席で観劇された方がいらして、その方曰く「りえちゃんは顔が崩れない。ずっときれいなままで嘘みたいだった。古田さんは…汗が・・・・。顔がどんどん・・・・・」とのこと。舞台は見る席でだいぶ印象が違うみたいですねー。

そんな訳でMIWA、良かったです。さすが野田さん。次回作は2015年なんですね。2014年は野田地図見られないのかあ。嗚呼。次回作、首を長くしてお待ちしております。
by mareemonte | 2014-01-13 16:21 | 劇やら映画やら